川北英隆のブログ

鈍感で適当なのが最大の武器

夕方、社会人学生の論文指導を行った後、いつものことながら、近くに飲みに行った。飲んでの話題はどうしても共通の知り合いのこととなる。金融政策に関して、S氏とK氏の差について感想を述べあった。
結論は、K氏が外部に対してしたたかだということである。とはいえ、S氏は内部を鍛えるという意味で評価できるとの結論も述べられた。
S氏はともかく、K氏は多分相手を見下しているのか、少なくとも大したことないと思っているのだろう。記者に質問されたとしても、その意図を見透かし、マイペースで答えることができる。百戦錬磨と言うべきかもしれない。
質問した側からすれば、適当にあしらわれているとの思いが強まるに違いない。でも、それでいいのだろう。どうせ、記者などは相手を怒らせるような質問をして、本音を聞き出そうとしかけているのだから。そんな挑発に無頓着を決め込むのが最大の防御策になる。むしろ、K氏は変な質問を笑い飛ばすらしい。そのことで、質問者に対して逆に圧力をかけるわけだ。
かつて、某社の社長は質問に対して、いつもはぐらかすような答えをすると言われていた。外務官は意味のないことを、さも本気のように延々としゃべれるそうだ。いずれも本音を悟られないという効果がある。そういう話術を身に着けるのが自己防衛になるのか。
とはいえ、そんなことを繰り返していると地に足のつかない幽霊人間になってしまいそうに思える。政治家もその幽霊人間の一種かもしれない。

2015/09/29


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