川北英隆のブログ

外国人観光客殺到の本当は迷惑

京都に外国人観光客が殺到している。このシーズン、中高生の修学旅行と重なり、大変な「賑わい」である。「賑わい」と書いたのは、もちろん嫌味である。「嬉しいなあ」とはこれっぽっちも思わない。
京都を観光する外人で目立つのは西欧系である。歩いている観光客から英語を聞くことが少ないので、広く欧州から来ているのだろう。東京と比べれば中国人の割合が少ない。買い物が主たる目的であるのなら、京都は物足りないだろう。
積極的に喋り、店に出入りする中国人の割合が少ないのは京都にとって幸いである。それでも、京都に住んでいる者にとって迷惑なことが多い。
東京の場合、住居近くまで観光客が押し寄せないから、観光客が迷惑ということがないだろう。しかし京都の場合、観光地と住居と店とが入り乱れているから大変なことになっている。
わが家の場合、遠くまで買い物に行くのはかえってコストがかかるので、錦とか百貨店で日用品を買いそろえることが多い。でも、錦は昼以降、異様に混み、歩くだけで大変なことになる。普段歩く寺町や新京極のアーケード街も「蹴飛ばしたろか」と思うくらい、うろうろ歩く観光客が多い。それも、大きな荷物をごろごろ曳いていることが多いので、余計に邪魔になる。
慣行客が爆買することはいいことなのか。商店にとってはうれしい悲鳴だと思う。でも日本人全体にとってはどうなのか。食べ物の恨みからすると、本当は日本人の口に入る品質の高い食材が横取りされることになる。有名な店は混んでいる。店で支払する段になり、レジで外人が並んでいれば時間がかかるので、外人を避けないといけない。
日本人的感覚からすると、海外からの観光客が増えた恩恵を、直接的に感じられる場を設けてもらえないものかと思う。たとえば京都の場合、迷惑料として税金を軽減してほしいものだ。

2015/10/07


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