川北英隆のブログ

中国の二人っ子政策への転換

ニュースによると、中国共産党は中央委員会第5回全体会議で、1979年からの一人っ子政策を廃止し、「1組の夫婦が2人と子供を産む政策を全面的に実施する」としたらしい。効果があるのか。
要するに、労働人口の減少、人口構成の高齢化に対する危機感が強まり、政策を変更したのである。
中国からの留学生から聞くところによると、少なくとも都市部では意味がないらしい。中国も、経済活動の質では先進国の仲間入りをした。つまり都市部は豊かになっている。とすると、先進国は皆そうだし、中国もそうだろうと予測できるのは、政府がどう頑張っても平均的な出生率は2人を下回ることである。もはや政府の意向は無視され、2人の子供は実現しない。
問題は、都市部以外がどうなるかだろう。ひょっとすれば、都市部以外の子供の数が増え、平均的に1世帯2人に近い子供の数が実現するのかもしれない。大いなる実験だろう。この実験の結果、可能性としてあるのは、アメリカがそうであるように、中国国内の民族構成比率が変化する、つまり漢民族の比率が低下することである。
もっとも、2人の子供が実現したとして、それが生産活動に効果を発揮するのは20年近く先のことであるし、それまでの間、中国経済の潜在的な成長力が低下する可能性は大きい。なんて考えると、最終的な結論は、その20年後の話なんて、僕にはあまり関係ないなということになる。

2015/10/29


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