川北英隆のブログ

GPIFと厚労省について議論する

またまたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に呼び出された。何が呼び出しの原因なのか、あまり思い当らなかった。面談を終えてから調べたところ、6/1のブログのようだ。
ということは、呼び出しを受けた時はもちろん、面談に行くときも、僕として何の準備もしていなかったことになる。
そもそも何の用事なのかも知らず、GPIFの秘書から「会いたい」「難しかったら電話ででも」と前回と違って非常に丁重なメールがきたから、こちらも丁重に日程を調整し、結果として昼飯を食べながらの面談となった。そこしかお互いの時間がなかったから。
それで、準備をしなかったのは、そもそも正論しかブログに書いていないし、周到な裏付けがあるから。ブログに書いていることは(多くの読者に、「そこまで書いて大丈夫なの」「私生活まで暴露しているのではないの」と心配してもらっているが)、氷山の一角でしかない。人間には、僕のような正直者にも(どこがやねん)秘密が多いので。
それはともかく、GPIFとしての板挟みの実態が、相手の主張の言外にあると感じた。「では、次にGPIFに質問するときには厚労省側を向いてやろうかな」と提案というか、決意表明した。
仄聞するところ、現在、政府の重要役職の中で毛嫌いされているのに2つある。1つは日銀の政策委員会の委員である。もう1つはGPIFの理事である。両方とも政府の意思が強く働くので、委員や理事になったところでストレスが貯まるだけなのだろう。少し前までは、金融市場に関係したものとして、憧れだったと思うのだが。
日本の政府組織の問題点は、重要な意思決定について「審議会」「各種委員会」のクッションを仕組むことである。この鮮やかさは、僕の知るかぎり、30年間変わらない。それがここにきて、「やりすぎ」「仕組みの犠牲者は委員や理事」との認識が急速に高まっている。
最期に、呼び出し面談を受けた、その昼飯代の行方である。GPIFが「利益相反の関係さえなければ払える」(議論が、ある意味対立しているのだから、利益相反の反対側の関係にある)というのでご馳走になった。なかなか美味いステーキだった。
とはいえ、ステーキ類を今さら食べる趣味もなかったので、ご馳走になったのは「まあしゃあないか」と思える。さらに思ったのは、「でも、ブログで文句を言って(つまりストレスを発散して)ご馳走になれるのなら、たまにはステーキもええなあ、美味かったし」「ほな、次も考えよか」と。

2016/06/22


トップへ戻る