川北英隆のブログ

京都の店:近又で季節を味わう

何回か登場した近又である。6月になったので鮎でもと出かけた。通されたのは1階の座敷だった。中庭がすぐ横にあり、その庭には打ち水がしてあるから、障子越しに涼しい風が入ってくる。6月だと思える。
付き出しが蓮の葉の上に盛られていた。さくらんぼのゼリーがほのかに甘い。椀は甘鯛の上用にじゅんさいが入っていた。刺身は鱧と甘鯛と湯葉である。これが大きく厚い切り身で、本日の感動だった。鮎は揚げ物になっていた。蓼が衣に入っていて、稚鮎よりも大きめの鮎が天ぷらになっている。その他も出てきて、大分満足した頃に、白えびのご飯が出てきた。水物(デザート)にもさくらんぼが添えてあった。
正月のおせち料理も最近では近又なので、流行っているのかどうか気になった。少なくとも我々以外に2組入っていたようである。
梅雨時、最近の京都でも観光客が少しは減る。修学旅行はやたら多いが、この旅行者が高級料理を食べるはずがない。京都を楽しむのに狙い目の季節に入ったと言っていい。
そうそう、すでに書いたかと思うが、近又の料理は出汁を楽しむため、極めて薄口である。東京人の口には合わないことは友人の口で実験が済んでいる。だから、箱根よりも東に住み慣れた日本人には、当然外国人には、食べても無駄、そう断定しておく。

2016/06/14


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