川北英隆のブログ

高梁の油屋旅館にて鮎を食べる

備中高梁に泊まった。出雲に行く途中である。出雲に行くのなら、せっかくなので寄り道しようと考えた。いろいろ計画を立てていると、伯備線の途中、備中高梁か新見で泊まるのがいいと思えてきた。
そこで宿を探したのだが、新見まで行くには少し遠く、適当な宿がなかった。高梁はホテルの予約サイトで見つかった最初の候補が駅前ホテルだったものの、満員だった。それで、高梁に他のがないのか探したところ、老舗旅館で油屋というのが見つかった。鮎のフルコースがあるし、直接、メールで予約できる。
さっそくメールしたところ、すぐに部屋があると返事が来たので、当然と思って鮎のコースを予約した。場所は高梁にある備中松山城の麓である。駅から北に歩いて15分程度だった。
当日、地図を出そうとしたところ、1つだけ口コミがあった。星が1つと最悪である。「何があるんや」と心配になり、理由を探したが、何も書き込んでない。とはいえ、何となく理由が想像できたこともあり、仕方なしに宿に向かった。
どっしりとした、戦前の建物を少し改良した旅館である。かつては与謝野鉄幹、晶子夫妻が、最近では秋篠宮が宿泊している。案内された部屋は2間あり、贅沢に作られていた。中庭には泉水があって大きな鯉が泳いでいる。宿泊客は、僕一人っきりだった。
料理はというと、鮎の骨の唐揚げ、干したのの酢の物、煮たの、素揚げしたの、ホイル焼き、焼いたの、そして鮎飯、鮎の味噌汁が出た。果物は桃とブドウである。大いに満足した。
かつて一度だけ、揖斐川中流で食べた鮎のフルコースには、実は刺身が出た。でも、鮎の刺身には寄生虫が多いから、邪道である。その時、刺身だけはチューインガムかと思うほど何回も噛んで食べた。今回、刺身がなかったから、ますます気に入った。
では、唯一のコメント者は油屋の何が気に入らなかったのか。1つは、古い旅館だから、風呂、トイレ、洗面所が共同である。部屋と廊下が障子だけで仕切られていて、鍵がかからない(貴重品は預けられる)。旅館が国道に面しているから、夜中に少しだが車の音がする。そんなところだろうか。
要するに、当初の予想通りだが、現代風ではないのが気に入らなかったのだろう。でも、そんなことをとやかく言っていたのでは、喩えると、外食はファミレスだけになってしまう。東南アジアはもちろん、欧米の田舎には旅行できない。もったいないというか、幅がないというか、アホな話である。そのくせ本人は隙だらけというのが落ちとなる。「もうちょっと寛容になったれや」と思う。

2016/08/28


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