川北英隆のブログ

日本の株式市場は波の間に間に

日経新聞の記事、いつも貶しているように思うが、当然いいことも書いてある。そのことを当然だと思い、ブログに取り上げないだけである。最近の記憶では、日本の株価は世界経済次第という記事があった。
これは「然り」である。残念なことに、日本経済は自立性に乏しい。つまり、国内は老人国だから需要に乏しい。そうすると海外需要頼りになる。結果として、海外経済、主にアメリカ経済次第になる。企業業績も同じである。海外が良いか悪いか、それ次第で企業業績が決まる。株価も、それを決める要因の最大のものは企業業績だから、同じである。
これを発展させて考えると、日本がどうせ海外経済次第なら、「海外の有力企業に投資したらどうや」となる。正解である。
そもそも公的年金を含む年金のような投資の専門家が(正確に書くと、投資の専門家と世間で見られている投資家が)、国内株と海外株を分けて投資の意思決定をしている。不可思議である。「ひょっとして、専門性に欠けているのではないか」とさえ思えてくる。
多分、1990年代のような昔は正解だっただろう。しかし、2000年代に入って、同じ方式を続けているのは一種の責任放棄だとさえ思えてくる。自己弁護しておくと(僕自身、公的年金の運用に関わっているから)、この優雅な時代の伝統を変えようと少しは努力しているのだが(「もっと、しっかりとやらんかい」というところだろうが)、いろんな政府主導の抵抗があり、きわめて難しい。
それはともかく、個人投資家として、国内株と海外株を分けて考える必然性はどこにもない。為替リスクなんて、株価の変動に比べると大したことがないし、いつかのブログに書いたように、そもそも日本企業の業績は直接、間接に為替や海外経済の影響を受けている。しかも、ネット証券に口座を作って取引すれば、売買手数料を気にする必要性がない。
ということで、波の間に間に浮かぶ日本企業の株式より、堂々と波を乗り越えて事業活動している海外企業の株式に投資すべきだと思っている。実際、僕自身、海外企業の株式を保有していることだけ、白状しておく(すでに白状していたかもしれないが)。

2017/02/16


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