川北英隆のブログ

ぶったまげたのは新聞報道の方

3/3,「ぶったまげた菅官房長官発言」を書いたが、誤認があったようだ。このブログに対して情報の提供があり、「官房長官は10兆円を大きな成果だと誇っているわけでない」とのことだった。
真意は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が自主運用を開始して以降、約15年間の累積運用益53兆円(年率3%弱の収益率)をもって、公的年金の安定に寄与すると発言したらしい。また、昨年被った公的年金の損失にも言及したとのこと。
それなら長期的に公的年金の運用を評価していることになる。「おかしい」と叫ぶ必要がない。むしろ間違って書いたわけだ。
メディアは何兆円という金額にだけ反応するものらしい。150兆円近い資金を運用していたのなら、数兆円は驚くに値する金額ではない。上で述べたように平均して3%の収益なら、金額にして5兆円近くなる。むしろ、5兆円という単位はあたり前である。
ついでに言うと、株価指数(日経平均株価など)の記事は、日本の場合、価格「変動幅」で見出しが書かれる。これは変で、本来は「変動率」で語るべきである。たとえば、前回の東京オリンピックがあった1960年代の1万円と(えらく大金だった)、今の1万円では大違いだから。
オーバーに書きたいのが新聞記事なのか。そうだとすれば、そのように思いながら新聞を読まないといけない。新聞の見出しを(ネットだが)、そのまま信じたのが悪かった。まだまだ修行が足りないのだろう。

2017/03/06


トップへ戻る