川北英隆のブログ

ROEかROAか

今日の日経新聞の朝刊20面のコラム「スクランブル」に、「相場変調、頼るはROE」という記事があった。菊地毅氏という記者が書いたもの。少し以前に電話取材があり、それに答えた。だから、引用してもらった。
某I先生が経産省の研究会でROE(株主資本利益率)を唱えたものだから、ROEの信奉者がにわかに増えた。もちろん、ROEに注目するのはかまわない。しかし、最近批判されているように、ROE至上主義はイスラム原理主義と同じである。信じるものは救われると思っているのだろうが、死に絶えることだってある。
四囲の状況を見ながら、ROEも参照するのが正しい。ROEを化粧することが可能だからである。株主資本を自己株取得で減らせば簡単にROEが上がる。
この点、今日のコラムは僕の意見をきちんと伝え、ROA(総資産利益率)で書いてくれていた。
『京都大学の経営学講義 いま日本を代表する経営者が考えていること』を読んでもらったらわかるように、今日も紹介された京都企業は売上高営業利益率がきわめて高い。独自の製品を製造し、付加価値の高い事業をやっていることになる。
この売上高営業利益率が高いことは、ROAの高さにもつながる。ROAはやはり、独自性評価の指標である。
一方で、京都企業は現金や現金同等物も多い。銀行不信だからである。だから資本効率が悪く、ROEは製造業の平均並みである。この手元資金を海外企業の企業買収に使い、成長すればいい。実際、京都企業の成長率は高い。もしも社長が金庫に現金を仕舞い、夜な夜なその現金を1枚、2枚と数えていたのでは、いただけないが。
ROEはもちろん、ROAも企業の特徴を表す指標の1つでしかない。もちろん、ROEやROAの水準は企業の核心を突いている。しかし、それ一途に信じてはいけない。いろんな角度から企業を評価することが肝要である。


2017/03/28


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