川北英隆のブログ

日本企業は何を目指すべきか

東芝に関するダイヤモンド社の記事をネットで読んだ。「東芝が一刻も早く半導体事業を完全売却したほうがいい理由」と題されている。世間の流れに迎合したのか、反対を言ったのかはともかく、記事を読み、何を書いているのかを知っておきたかった。
この記事、東芝が半導体を売るのに賛成という論調は表題のとおりだった。日本企業が世界で戦えるためには、電機業界のアナリストの意見を踏まえ、次の条件が必要だとする。欧米にライバル企業が存在する、アジア勢の参入が少ない、同じ業界に日本企業の数が多くない、この3つらしい。
こう書かれてもよくわからないし、記事には理由がきちんと書かれているわけでない。思うに、欧米というお手本があり、アジア企業の追い上げもなく、日本勢との競争も少ないという条件のように思う。
裏返せば、日本企業は欧米などのお手本がなければ衰退する(要するに独創性に乏しい)、アジア企業のように機敏に振る舞えない、内輪での喧嘩と言うか物真似が激しいということだろうか。このように理由であれば納得がいく。
では、本当にそうなのか。日本企業にも独創性があり、伸びてきた企業が何社かある。彼らを見逃してはいけない。アジア企業と同様、機敏に振る舞ってきた企業もある。そして、日本企業同士の競争に巻き込まれていない企業もある。
とはいえ、独創性だけはともかく(多少疑問なしとしないものの)、機敏さや日本国内での熾烈な競争に多くの企業が悩まされているのも事実だろう。実のところ、日本企業の経営は、欧米の物真似で始まった。物真似が上手いのは自分達だけではない。他の企業もほぼ同じレベルにある。だから過当競争になる。
ということで、日本企業から本当に投資していい企業を選ぶのなら、独自性を重要な基準にすることが正しいようだ。
そうしたところ、「東芝が一刻も早く半導体事業を完全売却したほうがいい」とする理由にはあまり説得力がない。半導体メモリー事業の変動性が大きく、リスクが大きいのは理解できるが、独自性は高いのではないか。この売却の成否は今後の展開次第だろうが。

2017/04/30


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