川北英隆のブログ

自動車業界に潮目の変化か

自動車業界に大きな変化が訪れ、それが顕在化しつつあるのかもしれない。そう思わせるニュースが最近、2つあった。
1つは、電気自動車のテスラが、株式市場での時価総額でアメリカ自動車業界のトップに躍り出た事実である。テスラの先週末の時価総額が533億ドルである。GM508億ドル、フォード435億ドルであるから、テスラがトップに立ったのは一時的な現象ではないようだ。自動車業界の大きな流れなのだろう。
もっとも、テスラ自身はまだ赤字を出している。また、電気自動車を巡って、既存の自動車メーカーも本気になってきた。このため将来、テスラが勝ち残るとの保証はない。また、自動車メーカーの役割がモーターや電池など、部品の組み立てになるとすれば(確定したわけではないが)、パソコンの組み立てメーカーからこれといった勝者が登場しなかったように、自動車の組み立てメーカーが今後10年間程度のタームにおいて、生き残れるのかどうかさえも不確かである。
もう1つは、トヨタの昨年度決算が減益、今年度も減益予想というニュースである。何らかのショックが経済に起きたからではない。世界経済全体は緩やかながら拡張している。そうだとすれば、本来的には自動車が売れ、世界のトップ企業であるトヨタが潤って然るべきである。それなのにということで、トヨタに何が起きているのか。
原因として考えられるのは次のようなところか。つまり、既存の自動車メーカーの技術レベルに大差がなくなり、トヨタの競争力が劣化してきた。トヨタがハイブリッドの成功に慢心し、革新を怠った。テスラ的な現象がトヨタを直撃していないまでも、徐々に影響してきている。
このトヨタの連続減益がどうなるのかはともかく、トヨタが伸び悩み、下手をして凋落するのなら、日本の製造業が大きな打撃を受けることだけは間違いない。この意味で、トヨタの今後に要注意である。


2017/05/14


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