川北英隆のブログ

もう1つの京都企業、三谷伸銅

先日、京都は東山のAKAGANE RESORT KYOTOに入った。フレンチかと思いつつも、場所が高台寺近くであるところからして、普通のレストランではないだろうとも思った。
東山通りを八坂神社から南に下り、鳥居のある通りを左に(東に)折れた。タクシーの運ちゃんに言わせると高台寺通りとの名前らしい(グーグルマップには名前がない)。坂を上がってすぐの四つ辻でタクシーを降り、八坂の塔を見ながら南に入った。立派な日本家屋の並んだ一角である。すぐにレストランがあった。
一際大きな日本家屋だった。その内部をレストランにしてある。聞いたところ、三谷伸銅の創業者の自宅だったとか。名前を聞いた瞬間、記憶が蘇った。三谷伸銅という上場企業があったと(今も上場しているかどうかまで記憶になかったが)。
調べると、三谷伸銅は今も京都にある。名前のとおり、銅板をはじめとする金属加工企業である。会社のサイトによると、創業は宝暦年間(1751?1764年)とか。都があり、寺社が多かったから、高級材だった銅の需要も多かったのだろう。通貨の製造にも関わったようだ。
ちなみに、京都には福田金属箔粉工業という企業もあり、貴金属や銅、アルミなどの箔と粉を製造している。こちらの創業は1700年(元禄13年)とある。
三谷伸銅は1952年に上場している。その後、1970年に三井金属鉱業と三井物産の傘下に入り、1983年3月末決算で債務超過3期連続のために上場廃止となった。銅の希少性が薄れ、需要が伸び悩み、同業他社も多いことから業績が悪化、業界再編の波に飲み込まれたようだ。
レストランは創業家の個人宅を買ったのか借りているのか。それはともかく、中に入ると、当時の栄華が偲ばれる。AKAGANE RESORTのAKAGANEとは、ここまで書くと明らかなように銅のことで、元の家も銅をふんだんに使っていたとのこと。それをレストランは再現している。座敷と廊下を改造し、レストランの広間となっている。元の2階部分(少し後で書くように実は3階)はぶち抜かれて広い空間が演出されている。
食べ終わった後、庭を案内してもらった。傾斜のある庭が広がっている。グーグルマップの航空写真版でAKAGANE RESORTを検索すると、その西側に広がる緑がある。それが庭である(すべてではないだろうが、半分以上はそうだろう)。
レストランの全体の構造は、玄関から入ってすぐの階がテーブル席の並ぶ広間である。庭から見ると建物の2階部分だとわかる。その下(1階部分)にカウンター席がある。別棟で結婚式もでき、チャペルと披露宴の会場がある。
京都の奥の深さを知った一日だった。


2017/07/09


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