川北英隆のブログ

恐山に渡れず

吹越の駅にはほぼ何もない。唯一、飲料の自動販売機が駅の反対側、踏切の横にある。それを陸奥横浜まで行くときに確認してあった。楽しみ?にしていただけあり、よく冷えていた。買ったのはコーラだが。ちなみに、最近はビールの自販機が消されている。
駅で1時間後の列車を待ちながらコーラを飲み、昼食にした。ついでに当日の宿と予定していた恐山の宿坊(吉祥閣)に電話した。その日はむつ市の大湊に着き、恐山一帯の最高峰、釜臥山に登り、恐山の中心部に入るハードな計画にしていた。
宿坊の担当者が出てきたので宿泊を申し込んだ。と、「今はどこ、何時に着く」と聞く。「吹越の駅やけど、少し寄り道をするので18時頃かな」と答えた。すると、「17時半までに入ってほしい、18時から一斉に食事なので」、「17時半に門を閉める」とのことだった。
僕にとって恐山はあくまでもついで。北海道と青森旅行の最後のターゲットは釜臥山だった。このため、宿坊を諦めた。
吹越から直接宿坊に入り、翌日に大湊に戻り、釜臥山に登るという手がありうる。しかし、バスの時間などを考えると、その日のうちに京都に戻れない。実は釜臥山、自動車道路のすぐ近くに山頂がある。タクシーでその山頂横に着く手もあるが、僕にとって邪道である。
ということで、今回は恐山の霊場に縁がなかったと諦めた。楽しみにしていた三途の川も渡れず、地獄も体験できなかったことになる。まあ、とりあえずのところ良かったか。
列車に乗り、むつ市が近づいた。恐山一帯に低い雲がかかっていた。吹越烏帽子よりも天気が悪い。そう思っていると、終着駅の1つ手前、下北駅に着いた。下北半島北部用のバスターミナルとなっている。観光客が一斉に降りた。
大湊で降りたのは僕を含めて数人だった。朝、テレビで見た天気予報だと(ホテルのWi-Fiを含め、ネットは繋がらなかったか不安定だった)、翌日の方がましだったことを思い出した。そこで、今日は大湊までとし、翌朝に釜臥山を目指すこととした。
問題は宿泊場所である。朝、ネットに繋がらなかったから調べられていない。大湊駅でもネットに繋がらない。観光案内もない。駅を出てみると、隣(駅の敷地内)にJR東が経営するホテル(フォルクローロ大湊)、道を挟んだ向かいに昔からの旅館がある。近くに居酒屋もありそうだった。そこで、JRのホテルに直接入り、宿泊を申し込んだ。ツインの部屋なら空いているとのことだったので、泊まることにした。
受付の姉ちゃんが、「チェックインは3時なので・・(それまでどこかで油を売ったれや)」と言う。「30分くらい早いだけやん、入れたれや」というところだが、夕食向けの居酒屋の選定と翌朝の食料の買い物もあるので、大湊の街を少し散策することにした。
ホテルの部屋は広くて良かった。ネットもちゃんと繋がった。さすがJR東(サラリーマン時代の常態遅れ中央線の恨みで好きではないが)といったところか。

2017/07/23


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