川北英隆のブログ

株式持ち合いと親子上場の変

スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議での主要テーマの1つが株式持ち合いである。さすがに12月の会合では、「全面禁止」とまでの意見はなかったと思う(意見のニュアンスを正確に理解したわけではないが)。
僕は、11/17に書いたように、事業会社の株式持ち合いの議論は親子上場の議論に波及するとの意見を述べ、株式持ち合い「全面禁止」の議論に歯止めをかけたつもりである。
本音は、株式持ち合いも親子上場も原則として禁止になればいいなと思っている。とはいえ、日本郵政の株式放出が依然として残っていることだし、親子上場禁止の議論をいくらしたところで、金融庁としても実現することは不可能だろう。
ということで、株式持ち合い禁止の議論は一方的すぎる。振り返れば、僕は現実主義者であり、日和見なのか。
それはともあれ、株式持ち合いと親子上場に関して、確認しておくべきことがある。それは、株式持ち合いや親子上場に頼る企業なんて、投資するに値しないということである。ひょっとして、これが政府系企業に対する批判になっていたりして・・。
企業経営に自信があれば、株主持ち合いや親子上場を否定されたところで、よそ事でしかない。自信があれば、子会社を独立させればいい。そもそも、親子上場などせずに、その事業分野を将来の主力分野とすればいい。他の方法もある。持ち株会社制度が日本でも認められているわけだから、その制度を利用すればいいだけである。
実際、親子上場上を解消する動きが続いている。それを推進する企業が、投資先としても好ましい。少なくとも、投資先としての必要条件を満たしている。
僕の記憶では昭和40年代の前半(1970年の少し前)だったか、オーディオ(テープレコーダー)で名を馳せた赤井電機と、子会社の赤井産業(赤井商事かも)があった。両者とも上場していた。そのうち経営がおかしくなり、親会社が子会社を使って不正な会計処理をしたと思う。その教訓が片隅に残っている。
今の上場制度と監査制度では、当時ほど露骨なことはできないまでも、では完全に独立した企業として運営できるのだろうか。実務に身を置いた者として、親子の関係とは複雑だと思う。一般投資家の思いも同じだろう。そんなの邪推を避けるためにも、子会社を上場するのなら、きっぱりと資本関係を絶つべきである。絶てないのなら、別会社にするとしても、持ち株会社の傘下に置き、上場しないことである。
独立した子会社が世界的な企業になった例として、富士電機の孫会社のファナックがある。子会社の富士通も、かつては(ご免なさい)しっかりとした会社だった。もう1つの例として、ダイセルから分かれた富士フイルムがある。積水化学と積水ハウスの関係もそうだろう。いろいろと思い浮かぶ。
これに対して、親子関係を残したままの企業で、素晴らしい企業があるのだろうか。残念ながら浮かばない。どうせ、親会社の人事制度(退職間近い従業員の処遇対策)として、いい加減に利用され、いい加減な経営しかできないのではないか。潜在的な資質があるのに残念である。
当事者としての企業は、親子上場のデメリットを真剣に考えるべきである。

2017/12/26


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