川北英隆のブログ

羽生と羽生のややこしい一日

仕事をしながらネットのニュースを見ていた。最近はネットが仕事の邪魔をしがちである。人間の集中力が試されている。そんな日、スケートと将棋で(他人の)集中力を感じた。
スケートには大した関心がないものの、世界のトップである羽生選手の怪我のことくらいは知っていた。どうなるのか、頭の片隅にあった。
ネットのニュースが優勝を伝えた瞬間に思ったのは、怪我の間も体と技を必死に維持してきたのかなということと、間隔が空いた試合での集中力である。
前者は非常に難しいと思う。すぐに易き方に流される。後者は、ひょっとして簡単かもしれないと思う。試合の緊張が連続しているよりも、空白の時間がかえって好ましい結果をもたらすことがありうるので。これは僕の経験である。
将棋の羽生氏のことは、彼が若い頃から知っていた。何故そんなに強いのか、知り合いと語り合ったことがある。パソコン時代の申し子だと僕は思っている。昔なら秘伝的になりがちな情報も、パソコンの登場によって広く開放されたので、経験とネットワークに乏しい若手でも強くなれたのではないか。
その羽生氏が中学生の藤井氏に敗れた。インターネットというよりもAIの時代、知的ゲームの進化が早まっている。その藤井氏は決勝戦でもトップ棋士に勝ち、優勝した。
ぼやっとしている時代ではない。少しでも勉強を怠れば、たちまち劣後していく時代である。とはいえ、年齢とともに集中力、記憶力、発想力が衰える。熟年層や年寄りにとって困ったことだと思う。
で、政治や行政は大丈夫なのか。日本だけでなく、アメリカも中国もトップは老齢化している。何が起きるのか、時代とのギャップは大丈夫なのか。経験がかえって邪魔にならないのか。そんなことを、このブログを書きながら思ってしまう。

2018/02/17


トップへ戻る