川北英隆のブログ

現代版の矛盾は化粧関係に

友人がにおいアレルギーである。戸建てに住んでいる。窓を開けると、近所の女性だろうか、香水の匂いがして気分が悪くなるとか。子供が帰ってくると、小学校の同級生の洗剤の臭いがするとか。卒倒しそうになることが多いらしい。
僕も洗剤に安物の香料を入れないでほしいと思っている。今日も地下鉄の連絡通路を歩いていると、誰かは知らないが洗剤の匂いがすごくした。卒倒しなかったものの、つい横を向いてしまった。
今時の洗剤や化粧品のコマーシャルは顰蹙ものである。体臭などを忌み嫌い、隠蔽しようというので合成香料をふりまく。臭い消しのために洗濯するのはいいのだが、そこに体臭ならぬ洗剤の化学臭を付着させる。
洗濯物が気持ちいいのは、そこに十分に乾燥させた太陽の香りと、風が運んできた大地の香りがあるからではないのか。そんな気分に、本物のほのかなバラの香りを付け加えてくれるのならともかく、げすく、けばい化学の臭いでは、気分が即時に悪くなって気絶ものでしかない。
化粧品もひどい。少々のことでは落ちない化粧品を宣伝する一方で、すぐに化粧を落とせる溶液を売り込もうとする。「突き通せないもののない矛と、どんな矛も突き通せない盾と」、そんな話を思い出してしまう。
そんなコマーシャルを流している某社の社員は恥ずかしくないのだろうか。むしろ逆に、埃ではない、誇りに思っているのだろうか。

2018/02/23


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