川北英隆のブログ

失礼なヤツかな

竜王山に向かう途中、913メートルのピークで尾根が三叉路状に分かれることを書いた。注意深い(?)僕としては、しばらく歩いてから、「一応確認かな」と思い、木陰でリュックを下ろした。登山用の帽子も脱いでリュックのそばに置いた。と、事件が起きた。
GPSを起動させて位置を確認していると、ブーンと羽音がして、昆虫が地面に下りた(写真)。キラキラ光っている。フンコロガシかセンチコガネか、いずれにしても山でよく見かける甲虫の一種で、動物の糞に群がっていることも多い。
家に帰って調べるとオオセンチコガネで確定した。ウィキペディアによると、「通常のオオセンチコガネは背面が赤っぽいが、琵琶湖東岸から鈴鹿山脈にかけての個体群は鮮やかな緑色、紀伊半島中央部の紀伊山地の個体群は鮮やかな藍色になる」と書いてある。確かに見かけたのは鈴鹿の一角の竜王山、それで緑色に輝いている。
で、事件とは何か。そのセンチコガネがとこ、とこと歩いてリュックの方に近づいてきたのである。「チャンス」というので先の写真を撮り、満足した。すでに位置も確認し終わっていたので、帽子をかぶり直し、リュックを背負った。その直後、センチコガネの様子が変わった。背中をムズムズさせたかと思うと、羽を広げ、ブーンと飛び立ってしまった。
何故なのか。センチコガネの気分になって考えるに、買って使って洗わずに何年も経っているリュックや帽子の臭いを食べ物と間違ったのだろう。その食べ物が急に移動したので、「糞は動かん、こら間違うた」というので去ったに違いない。
「失礼なヤツや」と思えるが、センチコガネも「紛らわしいことをすんなや」とつぶやいているかもしれない。僕としては、上着やズボンの上に止まられるよりもましだったかもしれないし。
20180515オオセンチコガネ.JPG

2018/05/19


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