川北英隆のブログ

ハウツー物で株式は儲からない

株式投資で儲けるにはどうすればいいのか。奥義(それに近い方法)は至極簡単である。自分で考えることに尽きる。それも注意を凝らして観察し、考え、さらに考えたうえで、決断することである。
それでも「必ず儲かる」とは言えないのがこの世界の難しさか。とはいえ、複数回、同じことを繰り返せば、どこかで大儲けできる。「多分」でしかないが。
株式市場が賑わうと必ず登場するのが、「これで大儲けした」類のハウツー物の出版や、「儲かる銘柄を教えます」の兄ちゃんや姉ちゃんである(おっさん、おばはんもいるかな)。これらが嘘八百とは断定しないものの、そんな出版物を読んだり、兄ちゃんや姉ちゃんに教えてもらったりして儲かるのなら、誰も苦労はしない。これらの類は、要するに書き手や兄ちゃん、姉ちゃんを儲けさせるだけだと思って大きな間違いはない。
新聞の株式欄を読んでも儲からない。「こんなことを考えてる奴がいるんや」程度の参考情報である。そもそも、今日の記事と昨日の記事で方向が異なることもままある。それに株式欄は傾向的に強気(株価を上げたい方向)の偏向記事だと考えておくべきである。市場が活況で、株価が上がれば儲かる業界だからである。
では、どうすればいいのか。過去に何回か書いたように、日常生活にヒントが転がっている。大儲けを逃した例を挙げておこう。アップルである。
2004年、海外での山登りの時、同宿者がiPodを持参していて、ここに写真を貯めるのだと説明してくれた。帰ってから調べたところ、便利がよさそうだった。その以前から、「パソコンはアップルに限る、マイクロソフトは雑すぎる」という大ファンがいることも知っていた。
しかし、「買おう」と思ったのはiPodの方だった。アメリカ株を買うのはその数年後だったと思う。当時は外国株の口座がなかったかもしれない。あったとしても外国株の投資信託程度か。もっと真面目に考え抜くべきだったと、今でも時々思い出す。今日もまた、アップルの時価総額が1兆ドルを超えたとのニュースで思い出した。
チャンスはどこにでも転がっている。個人と直接接する企業であれば、「便利ですごい」と思うことも時々あるだろう。その「便利ですごい」を糸口にして考え抜けばいい。本物だと思ったのなら、それに関連する企業を見つけ出し、分析を少しして、その株式を買えばいい。そういうものである。
だから、町を歩く時はスマホなどを見ずに、看板や店舗などをきょろきょろ見るべきである。スマホを見て歩くと落とし穴にはまるだろうが、きょろきょろ歩けば「あっ」と思うようなヒントにぶつかる。
念のために書き添えると、ここで述べた株式投資は「サヤを抜く売買」ではない。持ちきりの投資に近い。サラリーマンをしていて本当に儲かるのは、この持ちきりの投資でしかないだろう。
と書いて思うのだが(思った読者もいるかもしらないが)、以上の僕の説も結局のところハウツー物に近いのではないか。自己矛盾かもしれないので、笑い飛ばしてほしい。

2018/08/03


トップへ戻る