川北英隆のブログ

ふるさと納税の是非

友人Oとふるさと納税に関して意見交換した。Oは反対である。昨年1回だけ寄付したらしいが、今年はしないと。Oの子供が孫くらいに小さく、地域の世話になっていることもある。僕は、ふるさと納税は必要悪だと思っていて、今年もしている。
東京圏以外の地方は疲弊している。すべての地方都市を回ったわけではないが、地方に(山歩きを目的に)旅行する度、寂しく思う。観光客で賑わっている京都も、少し中心部から離れると、そこらの地方都市と同じである。
少子化対策・子育てという政策一つをとり上げても、地方に産業を起こすよう、本気で税制を変えるべきだと思う。法人税率を東京圏は高くし、地方度合いが高い地域を傾斜的に低くすべきである。今、大企業の場合、世界が相手となっているから、東京で事業をする理由に乏しい。極論すれば、「東京でしか」という企業は政府との癒着が疑われる。
地方に産業が起き、就業機会が増えれば、通勤が楽になり、子育てにも都合が良くなる。そうすれば地方への移住が増え、消費が盛り上がり、小売関係の企業も地方に移転するという好循環が生まれる。地方独自の文化も盛り上がり始めるだろう。
残念なことに日本政府はそこまでの強力な政策を打ち出さなかった。省庁の移転にしても、小手先というか、トカゲのしっぽ切り的なことしかやっていない。ましてや税制の抜本的な改革に手を付けることはなかった。
ふるさと納税の制度を誰がどのような意図で導入したのか知らない。少し調べると、地方自治体の税収格差対策(思うに、東京圏との格差対策)の意図があったらしい。本当は政府として、もっと抜本的な改革を行う好機だったと思う。この意味で、現実に導入されたふるさと納税制度は必要悪である。
僕がしているふるさと納税では、地方の特産品をお礼としてもらっている。お礼をもらわない方法もありうるが、地方の伝統維持のためには特産品をお礼としてもらうのが一番かなと思っているから。一般の工業製品をもらうなんてことは一切していない。この間、ある町のサイトを見ていたらビールのお礼があった。横目で睨みながらも、さすがに無視した。
僕のふるさと納税にはもう1つの理由がある。京都市からの恩恵をほとんど受けていないと思っているから。そんな京都には最小限の納税だけで十分だろう。
たとえば、観光客が大幅に増え、ごったがえしているのに、これといった対策が打たれていない。地下鉄は増発されず(多少増えているのかもしれないが)、混雑がひどくなっている。ついでに書くと、朝の地下鉄ダイアが改悪されたため、朝一番の新幹線との接続が不便になった。おかげで10分ほど早起きしないといけない。四条通の歩道の拡張はいいとして、そこに設置された送電設備(?)のボックスは「いずれ撤去します」らしいが、それから3年近くが経過したのに、依然として鎮座し、邪魔である。
ということで、Oと違って僕はこれからもふるさと納税を使うに決まっている。地方の食品は非常においしいので、繰り返しもらっているお礼品もある(実のところ、これが本音かな、何て)。

2018/08/27


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