川北英隆のブログ

報道の責任逃れに呆れる

台風21号が接近している。明日の午前中に近畿地方は暴風圏に入る可能性が高いらしい。日本は台風の恵みで水の豊かな国である。ある程度の災害は仕方ないのだろう。
と、いかにも挑発的な書き方をしたのは、新聞をはじめ、ニュースの表現が変だから。「接近の恐れ」「上陸の恐れ」と、やたら「恐れ」使う。そんな感情表現を使ったニュースは聞き苦しい。
気象庁の予報を見ると一目瞭然、ちびまる子ちゃんの丸尾君ではないが、「ずばり上陸するでしょう」である。上陸しない可能性は限りなくゼロに近い。台風が急に潰れるか、折れるように旋回するかしかない。
台風21号を報道するのなら、「四国に上陸する可能性が非常に高い」「その後、大阪から兵庫付近を通り、日本海に抜けるとみられる」である。
今の報道は責任を逃れたがっている。万が一、億が一にも上陸しなかったら何を言われるかわからないとの発想だろう。そうに違いないと勘ぐっている。
その「恐れ」のわりには、「猛烈な雨が・・」「猛烈な風が・・」と叫んでいる。上陸しないのなら、そんな「猛烈」を繰り返す必要がない。「猛烈な」と叫ばずに、本当に暴風雨が来れば、これまた何を言われるかわからないと考えているのだろう。
この「石橋をハンマーで叩いて壊す」姿勢は今の日本全体の風潮である。これでは経済の発展はないし、世界に尊敬されない。いつでも大胆なのは「考えなし」だが、確実なときにでさえ疑う姿勢を見せるのも「考えなし」であり、加えて「ノミの心臓」である。
ノミさんにさえ悪いかな。さすがにノミさんは好きでないが。

2018/09/03


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