川北英隆のブログ

何やこりゃという30年間

1988年の今頃、先物とオプション(先物やオプションが何のことか分からなくても関係ない)の現状を視察しようというので、ニューヨーク、ボストン、ワシントン、シカゴ、サンフランシスコを訪問したことがある。
いわゆる視察団というか、ツアーというか、その類である。メンバーはすべて金融関係である。当時の日本はおおらかで、予算的な余裕があった。それから30年である。
実は、そのツアー、2012年まで毎年のように同窓会を開催していたのだが、いろんな事情があり、13年から途絶えていた。でも、今年が30周年だからというので、若手が企画し、久しぶりの会合が開催された。若手といっても、65歳前後になっているのだが。
11人が参加した。今回の会場となった中華料理店の丸テーブルをちょうど囲める人数である。互いに向きあえるから、話が弾んだ。
80歳を超えたのも2人いた。当時のメンバーが80歳を過ぎたと聞くと、さすがに年月を感じる。
一渡りの雑談の後、簡単な近況報告があった。その言葉の端々を聞いていると、各自が何らかの意味で、自分自身か同じような年齢の他人かはともかく、「老害」を感じていることがわかった。
出席したメンバー自身はというと、何らかの形で仕事をしているのもいるが、完全に(多分進んで)身を引いたのもいる。それでいて、時間を楽しく、有意義に過ごしているようだ。
60歳を越すと、自分自身の生き方を考えないといけない。とすれば、その前に自分自身の生き方への見通しと、準備が必要になる。好きな表現ではないが(僕自身、そんなことを意識する性格ではないものの)、「人生設計」だろう。
当時の視察団のメーバーは24名、そのうちの11名である。すでに故人になった方もいる。思うに、今回出席した11名の多くは、自分自身の60年、70年を振り返り、少なくとも満足できる域に入ったのではなかろうか。
「で、あんたは、どうや」と聞かれれば、「多分、違うかな」としか答えられない。「何でや」とさらに問い詰められれば、「あまりにも経験できてないことが多いさかいに」と思っている。煩悩を捨てきれていないのかもしれない。
以上、思い出すまま、思いつくままに。

2018/11/29


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