川北英隆のブログ

イノシシが間近を走る高見山

小豆島のどこで泊まるのか。これも迷った。最終目的地は寒霞渓(神懸山)だから、それに近いのは小豆島町の草壁である。オリーブや二十四の瞳などの観光拠点でもある。しかし、これといった宿泊施設がなかった。調べると土庄(とのしよう)町にホテルが多い。
小豆島は、小豆島町と土庄町の2つの行政区域がある。島の南側が主に小豆島町、北側が土庄町である。その土庄町が海岸に温泉を掘り当て、オリーブ温泉としたようだ。
その一角のホテルに泊まった。翌日、バスで寒霞渓に寄り、関西に帰れそうだったし。
土庄町の観光名所は、ギネスブックにも掲載されているという「世界一狭い海峡、土渕海峡」と「エンジェルロード」である。
前者は、一番狭い部分で幅5メートル程度か。地形図で計測したところ、7メートルから10メートルだった。
後者は、いわゆる陸繋砂州である。干潮時に島と島の間に細い砂州が表れる。花崗岩の砂だから、少し赤みを帯びて美しい。男女が手をつないで歩くと結婚できるとか。では、カミさんと一緒に歩いたら、あの世でも一緒か。嫌か、嫌でないか。
それはともかく、ホテルに早く入れたので、裏山とも言うべき高見山(153メートル)に登ることにした。どこかで読んだ案内には、展望台になっているとあった。
車道が頂上のすぐ下まで付いている。しかし遠回りなので、地形図に記載のある山頂東側の破線路(登山道)を使うことにした。
町中の車道を登り、南北に通る県道の上を陸橋で渡ると登山道の入口である。白い柵で区切られた広い道が山へとジグザクに付けられている。とはいえ、草が所々茂り、枯れたススキが覆いかぶさっている箇所もある。
少し不安を感じながら登ると、水道施設に出た。ここで明瞭な道が途切れ、背の高い枯れ草が行く手を遮っている。よく見ると、誰かが歩いたような切り分けと踏み跡がある。頂上までの高度差もせいぜい100メートルなので、その踏み跡をたどることにした。
これがなかなか厄介だった。ススキの覆いかぶさった箇所が多くなる。棘のある草や木もあるし、土が崩れた小さな段差もある。
これらの障害物を避けながら歩いていると、斜め上の方で草をかき分ける大きな音がした。と、黒い塊が飛び出した。瞬間、イノシシだと分かったので、大きな声を上げた。イノシシはこちらを見向きもせず(良かった)斜面を駆け下りていった。距離として3メートルくらい横だった。
今年2回目のイノシシである。以前、イノシシを見たのは1回だけだったと記憶しているので、今年は当たり年である。来年の干支がイノシシだからか。イノシシが増えているのだろう。
踏み跡はイノシシのものだったようだ。注意しながらしばらく登ると、草の背丈が低くなり、かつての登山道に出た。小さなピークを越えると車道を横切る。もう一登りで山頂に着く。石組みがあり、木の建物がある。周囲は手入れされていないのだろう、展望は今一つだった。下りは、遠回りながら車道にした。登り20分、下り30分だった。
写真は高見山からのエンジェルロード(中央)である。この程度の展望である。
20181104高見山からのエンジェルロード.JPG

2018/11/04


トップへ戻る