川北英隆のブログ

やっぱり10連休はお邪魔虫

大企業勤務の元学生の何人かと集まり、話していると、やっぱり「今年の10連休に困っている、どうしょうか」と異口同音の感想が出てきた。
今年の10連休でいいことはと質問したところ、旅行代金が暴騰し、家で過ごすしかないかなとの答えが最初に返ってきた。海外との取引が多い場合、誰かが少なくとも留守番で出勤しなければならないため、では誰が出勤するのかを話し合っている(もめている?)との答えもあった。
この10連休、時期も悪い。1つは3月末決算企業の決算発表時期と重なる。東証は、できるだけ早く発表するようにと要請している。一方、発表する側は、発表後の株価への影響を見たいと考えている。これらを考え合わせ、ある大企業は従来よりも発表時期を早くできないか模索しているとか。決算を担当する従業員に負荷がかかる。
税務上も3月末決算企業は、5月末までに確定申告書を提出し、納税することを求められている。このため、今年の10連休は税理士泣かせらしい。
そうそう、日本が10連休でも世界の動きは止まらないので、株価の下落に備え、株式の買いポジションを減らす動きや、ヘッジする(先物の売りなど)の動きが強まるかもしれない。とすれば、連休前から株価が冴えない動きになるかもしれないとの発言もあった。
ついでに来年のオリンピックの話になった。東京の企業では、オリンピックの時期、通勤(とくに帰宅)が大変になりそうなので、在宅勤務を検討しているとか。いい機会というか、本末転倒というか。
「大変やな」と思ってしまった。イベントを作り、それを手柄にしたい政治家と、それにゴマをする一部のアホな役人と、そんな政府の動きに対応を強いられ、右往左往する民間と。そもそも今回の10連休、日本経済の国際化、企業の働き方改革、そして政府が気にする株価の維持・上昇、これらのすべてと逆モーションであり、民間にとっては邪魔である。ごく一部の業界はおおはしゃぎなのかもしれないが。
トランプが思いつき、思い込みの大統領だというのであれば、日本の政治も思いつきの点で同類項だろう。アメリカの政府のトップと日本の政府のトップは、スケールの差はあれ、やはり性格や能力が似ているのだろうか。

2019/02/19


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