川北英隆のブログ

アオサギの花より弁当

京都の桜もようやく咲いてきた。先週の金曜日、ツボミがふくらみ、翌日にでも咲き始めるのかと思えたのだが、その後の冷え込みで、桜の足踏みが続いていた。今週の木曜日頃になってようやく咲いたようだ。金曜日、鴨川を歩いていると、鳥達も楽しそうだった。
その楽しそうな鳥の中の一羽が写真のアオサギである。普通は河原でたたずみ、小魚を狙っているのがアオサギなのだが、こいつはもっと美味いものにはまったようで、鴨川の土手でたたずんでいた。何でか。
アオサギの前、桜の木の下にベンチがあり、そこで男性が一人、弁当を広げようとしていた。アオサギはそれが気になるようだった。
いつか、どこかで弁当の味見をしたのか。それとも、パン屑の味見のせいか。
酔狂なおじさんがいて、パン屑を時々撒いている(本当のところ、塩味のついた食べ物は鳥に毒らしいが)。カモ、カラス、トビがそれを飲み込む。時にはアオサギも食べている。柔らかいし、味がついているし、アオサギも「小魚より美味いな」と思っているのかもしれない。
普通のアオサギは、こちらが写真を撮ろうとすると、すぐに危険を察知して逃げるのだが、このアオサギは逃げなかった。
そもそも、アオサギを捕まえようとする人間を見たことがない。詐欺違うサギの丸焼き料理なんて聞いたことがないし。多分、そんな人間の習性をどこかで悟り、「捕まりっこないな」と安心して、弁当のお裾分けに全神経を集中させているとしか見えなかった。
20190330アオサギと桜.jpg

2019/03/30


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