川北英隆のブログ

新規上場と中高の同級生

僕が社外監査役をしている投資会社(ベンチャーキャピタル)の投資先が新規上場することになった。ステムリムという創薬の会社である。今年に入り、大型の新規上場になる可能性があると聞いた。「それは問題かも」と思い、ステムリムについて調べてみた。
何が問題なのか。新規上場は日本取引所自主規制法人で審査することになる。その法人の理事をしている関係上、審査の議論に加わる可能性がある。一方、ベンチャーキャピタル会社として、投資先企業が新規上場することは大歓迎である。とすれば、日本取引所自主規制法人の理事とベンチャーキャピタル会社の監査役の立場には利益相反が生じる。このため、日本取引所自主規制法人での議論から外れるのが当然のスタンスとなる。
そこで、ステムリムのことを事前に調べておいたわけだが、その結果、テレビ番組的に表現すると「驚くべき事実」が判明した。何か。ステムリムの社外監査役の中に行正秀文という名前があったことである。
行正(ゆきまさ)なんて珍しい名字、滅多にあるわけでないのに、それと同じ名字の同級生が中学、高校の同級生にいた。下の名前を憶えていなかったので、同窓会名簿で調べたところ、それも一致した。
それからしばらくして、ベンチャーキャピタル会社の年次総会でステムリムの会長(冨田憲介氏)と話す機会があった。行正君のことを話しておいた。直後に彼からメールが来て、中高の同級生だったことが確認できた。
残念ながら行正君とはあまり喋ったことがなかった。友達の系列が異なっていたことと、僕自身が社交的でなかったから(今もそうか)だと思う。進学先も知らなかったか、誰かから聞いていたとしても忘れていた。調べると、東大の薬学に進学し、その後、武田薬品に勤め、現在は立命館大学のグローバル・イノベーション研究機構に所属しているとのこと。
中高時代に覚えていることが1つある。中学の入学式の当日である。学校が奈良市にあったので、母親と一緒だった。帰り、国鉄奈良駅で大阪方面行きの列車に乗るべきところ、母親が間違って木津方面行きに乗ってしまった。母親、一人で旅行したことなんか滅多になかったし、方向音痴、地理音痴だったので間違ってしまったようだ。母親の名誉のために追記しておくと(亡くなった者を貶すのはどうかと思うので)、方向音痴、地理音痴は女性によく見られる。
その時、10年近く前に亡くなった島君(2009/12/15のブログ)とその母親か、行正君とその母親も同じ列車に乗っていたと記憶している。多分、両方だろう。2人は木津方面に住んでいたので、間違って乗ったわけでない。
ステムリム、先週金曜日に上場承認された。行正君とのこともようやく書けるようになった次第である。

2019/07/08


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