川北英隆のブログ

白い峰々アンデスと対面

チリの細長さについて、「国境は人為的なもの」と書いた。チリのような細長い国を国境で作ったのは人間である。とはいえ、海岸からたかだか200キロ程度の距離に延々と国境が続くのは、国境になりやすい山脈、アンデスが平行しているからである。
チリの首都のサンチャゴ、海外から100キロ程度離れている。とすれば、国境をなすアンデスまでえらく近い。これは当然なのだが、その当然の推測を事前にしていなかったものだから、サンチャゴ市内からアンデスの白い山脈を見た瞬間は驚きであり、感動だった。
それを見たのは学会の会場にタクシーで向かう途中だった。サンチャゴ市内の新市街と呼ばれる、東京の大手町のような場所からだった。
サンチャゴは盆地の中の都市である。西側は1000メートル程度の山しかないが、東側はアンデスの高峰である。
地下鉄1号線の終点、つまりサンチャゴの西の端で降りると、3000mを超える連山が目の前に連なっている。旅行したのが南半球の冬だから、稜線は雪をかぶっていた。さしずめ、松本盆地から北アルプスを眺める雰囲気である。
サンチャゴの凄さは、その3000mの奥に、アンデスの主稜が見えることである。実は、アンデスの最高峰、アコンカグア(6962メートル)まで、サンチャゴ中心部からは北東方向、直線距離で100キロ程度しかない。とはいえ、その手前の山も高いから、見えないようだ。
その代わり、アコンカグアの南の方の峰が見える。調べると、Cerro Plomo(5424メートル)が見えていた。しかもその奥に、Nevado Juncal(6110メートル)かNevado el Plomo(6070メートル)が見えていたようだ。経済的に発展した国の首都から6000ネートル峰かそれに近い峰々が見えるとは、もう一度、凄いと書いておく。
写真は南米一高いビル(グラン・トーレ・サンチャゴ)の61階にある展望台、スカイ・コスタネラからのアンデスである。
20190804サンチャゴからアンデス.jpg

2019/08/04


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