川北英隆のブログ

デジャヴュな郵政問題

簡保の不適切契約もしくは不正に端を発した郵政の問題、某国営放送との関係も生じてきた。ここまで来ると、「どっかで体験したな」と、既視感(デジャヴュ)に襲われる。
日本郵政と国営放送との関係、きちんと整理してくれているサイトがないかとネットを探したところ、「さすが朝日」と言うべきか、次のサイトが一番適切かつ痛烈だと思う。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14196535.html
「(国営放送が)かんぽ生命保険の不適切販売を報じた番組をめぐり・・日本郵政グループが(国営放送の)経営委員会に要望書を送り・・経営委員会が(国営放送の)上田良一会長に「注意」をした・・前後して、番組の続編は放映が見合わされ・・」という事件である。これが生じたのは「多くのかんぽ生命の契約者が乗り換えで不利益を被る事態が起きていたさなかのこと」である。しかも、日本郵政は、国営放送のガバナンスがなってないと主張していたという。
僕として思い出したかつての体験は、関西国際空港に関するものである。要約すると、「今度当社が発行を計画している社債について、これまでのスタンスを変えずに購入しろ、購入しないのなら関西財界のエライさんに言いつけるぞ(言いつけたらお前の首くらいすぐに飛ぶぞ)」と脅されたことである。関西国際空港の経営が危なそうだから、社債をこれまでどおりには買いたくないと交渉していた中での出来事だった。
もう1つは、国営たばこ会社が「禁煙運動に賛成すると、お前とこの保険の契約を解約する」との主旨の発言をしたことである。
いずれも、20年、30年前のことだから時効だろうが、今回の日本郵政の問題では、そんな化石みたいなスタンスが表面化している。それも、同じ化石みたいな組織を誇示している国営放送に対して、日本郵政が化石みたいなスタンスで文句を言い、勝ってしまった。
僕にとってはデジャヴュ、両社にとっては恐竜の戦いといったところか。まだ、そういう意識、つまりルールは自分が作るものだとの「女将」ちゃう、「お上」意識が健在なのかとびっくりする。
これ以上書いても「しんどい」し、「ばかばかしい」だけなのでここで止める。両社の組織がいろんな問題を抱えていると、明らかになったことだし。
以下、余韻である。
政府が(最前線の組織は金融庁が)民間企業に対し、ガバナンス(企業としての統治の構造、すなわち正しくかつ効率的な経営を行えるための仕組み)をちゃんと整備しろと指導しているのが昨今の状況なのだが、その矛先が政府の組織自身に向かっていないのではないかとの疑念を抱かせる。
日本郵政は依然として半分以上国営である。某国営放送は法律で収入が確保できている。そうであるのなら、民間以上にガバナンスをきちんと効かせてもらわないと困る。でも、このような政府機関に対して、誰が、どのようなルートで「しっかりしろ」と指導するのか。非常に心配である。

2019/10/01


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