川北英隆のブログ

反社会的勢力と政府の超越

「桜を見る会」騒ぎが大きくなった。それ自体、日本国の政策に直接関係しない「しょうもないこと」だが、それが氷山の一角だとすれば、タイタニック号危うきに近寄らずだ。なのに、反社会的勢力の問題から政府は超越しているかの言動は変である。
「桜を見る会」に反社勢力に属する人物が参加していたらしい。それを菅内閣官房長官が「結果的には入ったのだろう」と最初は認め、その翌日、「『反社会的勢力』は様々な場面で使われ、定義は一義的に定まっているわけではないと承知しています」と、政治家独特の難解な、「そんな日本語があるんかいな」と思える言い回しで否定したとのこと。
https://jisin.jp/domestic/1804741/
でもと思う。定義が定まっていないのなら、金融機関に対して反社勢力を徹底的に排除せよという金融庁からのお達しはどうなるのかと。その発端ともなった、2013年のみずほ銀行の事件はどうなるのだと。
2013年のみずほ銀行の事件、日経新聞によると「暴力団構成員など反社会的勢力との取引を把握しながら2年以上、事実上放置」したものである。事実関係も「担当役員止まりとなっており、頭取をはじめ、ほかの経営陣には届いていなかった」という。金融庁は、みずほに対して行政処分を課した。この結果、みずほのトップの首が飛び、組織も改変された。
今回の政府の対応、自分に極甘ではないか。現在、グローバルにマネーロンダリングが問題視され、それを徹底的に阻止するようにとの命が金融庁から金融機関に下っている。マネーロンダリングには直接、間接に反社勢力が関わっているとされる。政府の行事に、それも安倍総理の行事に反社勢力が入っていたのでは、日本に対する国際的な信用失墜問題にも発展する。
金融機関の例からも反社勢力の定義は決まっている。そうでなければ「排除しろ」との命令は出せない。その定義に従い、「桜を見る会」の名簿を徹底調査すべきである。そして、反社勢力の参加が事実だと判明したのなら、みずほに対する措置の例に見習うべきである。

2019/11/29


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