川北英隆のブログ

日経225とTOPIXの差拡大

ある依頼原稿を書いていて気づいたことがある。東証株価指数(TOPIX)を日経平均株価(日経225)と比べたところ、思っていた以上に値上がり率が悪い。少しびっくりした。
リーマンショック(2008/9)の少し前から日経225の上昇率がTOPIXを上回っているのは知っていた。
日経平均は日本企業の中で生きの良い225社を選び出し、計算されている。しかも、生きの良さを保つため、毎年何社かを入れ替える。これに対してTOPIXは東証第一部上場企業がすべて入っていて、生きの良さとは関係が薄い。
もっとも、日経225の計算方法にはいろんな批判があり、中でも特定の企業にウェイトがかかりすぎているとされる。現在、ファーストリテイリング(ユニクロ)、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、ファナック、KDDIが上位5社であり、これだけで日経225の24%くらいが決まってしまう。日経225に投資するのなら(上場投資信託、つまりETFを買うのなら)、この5社に集中投資するのに近いと思わないといけない。
ウェイトに関して、次のサイトが計算してくれている。参考になる。
https://nikkei225jp.com/nikkei/
批判はともかく、この上位5社が(他の上位企業もそうだが)入れ代わり立ち代わり上昇してきたものだから、TOPIXとの差を開いてきた。
実は数年前、この差に注目して原稿を書いたこともあるのだが、その後しばらくは差の拡大がなかった。実際、2013年から17年まで差の拡大が見られない。それで注目を止めていたのだが、ほったらかしにしていた間、18年、19年と急拡大していた。
図表をアップしておく。橙色の線が日経225(2005年年末=100、各年末の水準)、青色がTOPIX(同)である。黒色が「橙色÷青色」である。上の説明どおりに動いている。
この図は、2005年年末に100円投資したとして、19年年末に何円になったのか(配当除き)の数値でもある。日経225に投資すれば146.8円、TOPIXは104.3円である。両者の倍率は1.41倍となる(図では1.41に100を掛けてある)。
この事実に気づいたのは何故か。この20年間(つまり1999年年末から)日本の株価がどの程度上昇したのか計算したところ、TOPIXがわずかに値下がりしていた。「じゃあ日経平均もそうかな」と思い、検算のつもりでついでに計算したところ、25%程度上昇していたからである。
これには驚いた。20年間で25%と言っても、年率1.1%に過ぎないのだが。この間のTOPIXとの差は「チリも積もれば」というところか。
なお、両者の差は市場の下落局面で生じているようだ。2013年から17年までは市場全体が上昇していたので差が開かなかった。18年は下落局面にあり、ここで差が開いた。生きの良い分、日経225は大きく下がらないようだ。
昨年末(12/27)に金融庁が「市場構造専門グループ報告書」を公表し、TOPIXの見直しも提案している。ロボットで言えば改造か。日経225に負けないような生きの良い企業で計算してほしいものだ。
日経平均とTOPIX比較図.jpg

2020/01/13


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