川北英隆のブログ

大文字山を追悼しつつ歩く

天気もまあまあ、研究室に行く用事もあり、ついでにトレーニングがてら大文字山を越える予定だった。研究室に着き、メールを整理していると訃報が入っていた。ニュースを見るともう1つ訃報があった。
前者は日本生命で少し後輩だった元常務の尾崎靖君である。65歳だったらしい。仕事での関係は多くはないが、皆無でもなかった。いつも的確に対応してくれたと記憶している。
若くして何故と思う。僕が会社を辞めて17年、これだけの時間があれば、預かり知らぬことも多いのだろう。
後者は志村けん、死因はコロナによる肺炎と明確である。かつて「8時だよ・・」のファンだった。もっとも志村は僕のタイプの芸人ではない。正直に言うと、関東のお笑い芸人の多くは面白くない。「8時だよ・・」が終わった後、志村の番組を見ることも少なかった。
とはいえ、若い頃ほぼ毎週顔を見ていた、それも僕と生まれ年の同じ芸人が亡くなるのは、多少ながら、心に空洞ができるのに近い。
2つの訃報の後、山に入った。
大文字山、ツバキが満開を過ぎたのか、赤い花が山道にたくさん落ちていた。この季節、それを踏みしだいて歩くのは、新しい生命を呼ぶ儀式に近い。
モミジが黄緑や赤紫の芽を吹き始めている。それに混じってミツバツツジが、まだ3月だというのにピンクの絨毯を羽のように広げていた。
どこにいるのか、ウグイスがそんな灌木の間をさえずり渡り、その鳴き声に混じってココンと冴えたリズムが響く。見上げるとキツツキが木の幹を駆け上り、虫を探していた。
いい季節である。山を歩くと汗をかくようになった。額を拭いながら、一緒に時代を生きた亡き二人の冥福を祈っておいた。
写真はミツバツツジに囲まれた山道である。
20200330大文字のミツバツツジ.jpg

2020/03/30


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