川北英隆のブログ

最近楽しみな地獄での疑問

楽しみにしている地獄とは、日経新聞の最終面(文化欄)に連載中の絵画「地獄の教え 10選」である。今日は7回目(ということは、残念なことに残り3回になってしまった)、矢田地蔵縁起に描かれているという「刀葉樹」の図である。
どういう地獄かというと、何やらごつごつした木というか台というか、そのてっぺんに着物姿の女が座っている。裸の男が(褌だけはしている)、舌だろうか赤いものを口から出しながら(舌が蛇のようでもある)、その木に登ろうとしている。
その木のごつごつしたもの(そう見えるもの)はカミソリだそうだ。男が木に登ろうとするのは、着物の女のためである。要するに女にちょっかいを出したいと思っている。
それで、男が木のてっぺんまで登り詰めると、女が地面に瞬間移動してしまう。仕方なしに男は、今度は女を求めて木を下りないといけない。もちろん、登るときも下りるときも、カミソリが男の体を傷つける。それが延々繰り返される。そういう地獄なそうな。
疑問に思ったのは、「カミソリで男の褌がよく切れないな」なんてことではない。「女にも同じ地獄があるのかな」である。ないと男女平等ではないし、今はホストクラブがある時代である。この地獄が描かれた当時も男狂いの女がいたはずだと確信しているのだが。
さしずめ、現時点での刀葉樹のカミソリはコロナか。地獄の接待を求めてさまよう人種は堪忍である。こっちにまで血しぶきが飛んでくる。
ところで、矢田地蔵縁起のある矢田寺(金剛山寺)とは、大和郡山市にある。市内からは遠く、小学校のマラソン大会で近くまで行ったくらいだ。お寺には、多分入ったことがない。

2020/08/10


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