川北英隆のブログ

涌出山を歩く

小谷山から河毛に戻り、次は涌出(ゆるぎ)山である。河毛駅から北陸本線に乗り、敦賀方面に向かい、2つ先の駅、木之本駅まで移動する。
前にも書いたように、長浜から先の北陸本線、昼の時間帯は1時間に1本しか電車がない。小谷山から郡上に下り、メモしてあった時刻表を確認すると、あまり時間的余裕がなかったので、河毛まで急いだ。
木之本は北琵琶湖の中心的な町である。駅も大きく、西口と東口がある。涌出山は木之本の南西に位置する。とりあえず西口から駅を出たが、地図で確認したところ西口からだと国道を歩かないといけないようなので、駅の南側で線路を東に渡り直した。
駅の東側に木之本の中心部がある。坂を登らないといけないので今回は見送ったが、以前(2004年)、呉枯ノ峰を目指して歩いた記憶では、宿場町の風情がしっかり残っていた。それから16年、木之本の駅前は他の地方の町と同様、寂れていた。
駅から涌出山まで直線距離で1.5キロ程なのだが、道路が碁盤の目のように通っていて、涌出山に直接向かう道はないので(そんな道があればいいと思うのは僕だけ)、まさに三角形の2辺を歩くことになる。
事前に調べたところ、地形図からもわかるように、涌出山に登る道は、その南の裾に広がる高月町唐川という村にある。木之本から北陸本線に沿って南南東に歩き、木之本町千田の外れで西南西に折れる。涌出山(丘)が正面に見えるようになる。
唐川の村を真中付近まで歩くと右手、涌出山の裾に赤後(しゃくご)寺が佇んでいる。雛には稀なという感じで、二体の重要文化財の仏像があるという。境内の前に石段があり、「日吉神社」という扁額を掲げた鳥居がある。石段を上がり、寺か神社か、拝んでから登山口を探した。山に向かって右手(東)に、林の中、山裾を巻く道がみつかる。地形図にある円弧の一部のような道である。広くてしっかりしている。
この道を涌出山の東の端近くまで歩くと、左手に、山に登っていく道が分岐している。その左手の道に入ると、すぐに広い場所に出る。左手、少し上に石碑(忠魂碑)があり、山に向かう道が続いている。地形図のとおり、ジグザグに折れる道を上がり、登りが緩やかになると涌出山の山頂である。200.1メートルの三角点がある。山名の標識はなかった。
実のところ、涌出山の山頂部は東西に長く、三角点のある東の端よりも西の端が少し高い(206メートル)。今回登ると、山頂部の草だけ防火帯のように刈り払われ、歩きやすくなっていた。藪こぎでも仕方ないなと思っていたから、「ラッキー」と思いつつ、ヘビに注意しながら歩いた。ヘビには出会わなかったものの、木之本の駅で気づいたところ、草原には引っ付き虫が多かった。
206メートルの山頂部にはテレビ用の施設があるだけだった。そのまま地形図の道を南に降ろうかとも思っていたが、草が多そうだったので三角点から忠魂碑に引き返し、南東に下りた。木の間から小谷山と伊吹がよく見えた。下りた地点には小さな社が祀られていた。
後は唐川の東の外れを通り、往路を木之本に戻るだけだが、メモで北陸本線の京都方面行きの時間を確認すると余裕があまりなかった。急ぎ足で歩き、ほんの少し時間的余裕を作り、駅の大きな売店で土産を買った。いくつか候補があった中から、マコモダケにした。これについてはもう一度書くことにする。
コースタイムは、日吉神社の鳥居から下山した社まで35分だった。駅から日吉神社まで、行きは30分かかった。
上の写真は涌出山の山頂部から見た小谷山である。左手奥に伊吹山が見える。
下の写真は唐川の外れに咲いていたヒガンバナである。終わりかけていた。
202010090涌出山から小谷山と伊吹.jpg

20201009ヒガンバナ.jpg

2020/10/09


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