川北英隆のブログ

電車中での迷惑行為の変遷

コロナの時代になり、電車中の迷惑行為が大きく変わった。そんなに混まなくなったので(少なくとも今はそう)、ラッシュ時特有の迷惑行為は絶滅危惧種だろうか。
女性に口紅をべったりも絶滅寸前だろう。長い汚らしい髪の毛が口に当たるなんていうのもそうか。逆に女性に怪しまれ、あらぬ疑いをかけられないようにと、両手で吊革を持つなんて必要も皆無に近くなっているだろう。
いずれも満員電車に縁がなくなり、そんな危険があるのなら1時間かかろうと絶対に歩こうとしている僕にとって、想像の中の世界になり果ててしまったが。
その代わり登場したのが会話リスクである。一番警戒しているのが複数で乗ってくるオバちゃんとガキどもである。コロナの時代に何を考えているのか、ひょっとして爺婆を感染させ、絶滅に追い込もうとしているのかと、被害妄想に陥ってしまう。
オバちゃんが数人で乗ってくると決まって大きな声で喋る。当然、どうでもいいような話題に鼻違う花が咲き、ミツバチではなく唾が飛び交う。
ガキどもはほたえまくるか、何が可笑しいのかガハハと笑う。先日、山行に乗った東海道線では、「風邪みたいやねん」と一人が言うと、もう一人が「コロナ違うか」と問いかけ、「違うみたいや」と、マスクもいい加減に答えていた。遠かったからよかったようなものの、近くの乗客はどう感じていただろうか。近くもガキが大部分だったから、誰も気にしなかったのか。
つい数日前に乗った新幹線でのこと、4人が乗り込んできた。政府のいい加減にしてほしいキャンペーンを使った旅行なのだろう。新幹線の座席をくるりと回して向かい合わせにした。少し遠かったので、アルコールを持ち込んできたのかどうかは見えなかったが、当然止むことのない話しを始めた。
新幹線の車内放送では、「会話は控えめに」、「座席を回転しての利用はご遠慮ください」と言う。とはいえ、巡回する車掌や警備員が会話に注意することはない。では、座席の回転をどうするのか、ちらっと見ていると、発車してすぐに巡回に来た車掌が、さすがに注意して元に戻させた。JR東海、「やればできるやん」と思った。
東京発着がキャンペーン対象になってから、新幹線が混むようになった。まだ、隣の席に見知らぬ者が座りはしないものの、前後の座席は埋まりつつある。長時間の移動に2メートルの距離を保てないのも困ったものである。
そうそう、グリーン車が意外に混んでいることもついでに書いておきたい。なるべく空いている車両をというのでグリーンにする乗客が多いようだ。とくに出張者がそうなのだろう。
いずれにせよ、コロナ時代のマナーをもう一度頭に叩き込みたい、叩き込んでほしい。そう念じてしまう。

2020/10/10


トップへ戻る