川北英隆のブログ

国民から政府への緊急願い

日本のコロナの感染が加速している。GoToキャンペーンが直接的な原因なのは明らかである。密を避けるようにとお願いしておきながら、密を誘う蜜を振る舞えば何が起きるのか。多くが蜜に群がり密が生じる。以下、国民から政府へのお願いである。
そんなGoToキャンペーン、目先の利益しか視野にない政策の典型だろう。
コロナオリンピック、累積感染者数で現在の日本は42位である。少し前に予想したように、日本は少しずつ順位を上げている。この先どうなるのか。40位と41位の国の1日当りの新規感染者数は日本より少なく、かつ累積感染者数の差が小さいから、遠からず日本は40位になろう。一方、39位とは累積感染者数の差が大きいので、この1ヶ月間、速度を落とすことができれば、抜けない可能性が高い。
それはともかく日本政府が、我慢というコロナ対策を必死に国民にお願いしてきた背景には、本物のオリンピックの開催があったのではないか。しかし、開催までもう半年しかない。準備を急がなければならないのに、ここに来て緊急事態宣言を出さないといけないとは、オリンピック開催に赤に近い黄信号、つまり橙信号が灯ったことになる。
もっと早い時期にGoToキャンペーンを見直し、停止すべきだった。もっと早い時期に政府主導で緊急事態宣言を出すべきだった。思慮なくGoToキャンペーンを続けて、鉄道、空運、ホテル、飲食業界などにいい顔をしようと試みたのが完全に失敗に終わったことを意味する。少し観点を変えれば、短期の利益を追い求めた結果、本命のオリンピックを逃そうとしているのである。オリンピックを逃せば、鉄道、空運、ホテル、飲食業界からは総スカンだろう。
政府主導の緊急事態宣言はGoToキャンペーンと逆モーションになり、それまでの政策の非を認めることになりかねない。だから躊躇したのだろうか。でも、子供には「自分に非があれば素直に認めましょう」と教育しているはず。政治家の辞書には「自分の非」なんて言葉がないのかもしれないが。
いずれにせよコロナとの戦いは長期戦を覚悟である。国民への「お願い」だけではなく、政府自身が医療、ワクチン、教育なとどを含め、新しい社会経済活動のあり方を議論し、舵取りをしないといけない。それが能ある政治というものである。国民から政府にお願いしておきたい。
現実はというと、緊急事態宣言時の法改正を今になってやろうとしている。楽観に徹した、明るさ強調の政治体制だったのだろう。それはそれでいいのだが、片方で現実を直視することも忘れないでほしいと、もう1つお願いしておこう。

2021/01/07


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