川北英隆のブログ

コロナワクチンの多面的評価

新型コロナワクチンの接種がようやく開始された。手際の悪さは毎度のことながら、ワクチンの接種は朗報である。このワクチンについて、リスクよりもメリットの方が多いと評価している。
もしもこの時点で新型コロナに感染すれば、いろんなデメリットがある。悪くすれば死亡すること、後遺症が残ることは当然として、家族には感染リスクをはじめ、多くの迷惑をかける。自分自身としても、入院させてもらえるかどうかもはっきりせず、不自由な思いをする。さらには周囲の住民からから村八分にされかねない。
このように考えれば、接種の通知が来れば即座に受けるのが最善ではなかろうか。副作用も考えないといけないが、その確率は非常に小さいことだし。
しかし、このワクチンがすべてを解決するわけでない。インフルエンザのことを思い起こすのがいいだろう。変種のリスクに常に直面している。年によってワクチンが効いたり効かなかったりする。効いたとしても、その期間が短く、翌年もワクチンの接種が必要となる。
新型コロナの場合、ワクチンの効果がどの程度続くかは明確に公表されていない。というか、まだ明確に言えないようだ。とすれば、当分は毎年の接種か、ひょっとすれば半年毎とか、頻度高く摂取することが求められる。そう考えるのが正しい。
最終的には新型コロナの治療薬が待たれるわけだが、この成果はまだはっきりとしない。しかも治療薬ができたとして、それがどの程度の画期的効果をもたらすのかは不明といっていい。
たとえば治療薬のあるインフルエンザでさえ、まだ死亡者が多い。このことを考えると、新型コロナが社会にもたらす影響は今後とも大きいと想定しておくのが妥当だろう。
以上から、新型コロナのワクチンが普及し、治療方法も出てきたとしても、コロナ感染に注意する生活が続くと想定し、対処するのが正しい。つまり、緊急事態宣言での状態を思い出し、それを参考にした行動が要請されるのではないか。
卑近な例では、物理的な出勤をどうするのか、通勤をどうするのか、居酒屋での「お疲れさん」飲み会をどうするのか、会議は対面か非対面かなどを、短期的には考えないといけない。中期的に考えないといけないのは、今の勤務先と決別するのか、地方の中核都市で勤務できる職場を選ぶべきなのか、その場合に新しい勤務先に対するアピール度(たとえばスキル)をどのように整えるのかなどである。
いろんな人達と意見交換していると、「これからは労働力の流動化の時代」だと語られる場合や、それを前提とて労働環境や制度を整備すべきだとの意見が圧倒的に多い。僕自身がその立場だから、類は友を呼ぶ的に、同じ趣旨の意見がより多く聞こえてくることもあるとは思うものの、これらの意見は近未来の客観的真実に近いと感じている。
これからは実力の社会である。そう言い切ると、「時すでに遅し」と反論されかねない。すでに10年前後も前から、実力社会が始まっている。そもそも、30年単位(大学卒業以降、退職が迫るまでの年月)で見て、隆々とし続けた企業は稀なのだから。
とすれば、一個人として留意しておくべきは、「いつ勤務先の組織が無くなったとしても、即座に対応できる能力を獲得すること」に尽きる。もっと言えば、「3年後に辞めてやる」的に自分自身を鼓舞することも大切なのではないか。

2021/02/17


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