川北英隆のブログ

過剰包装によるプラゴミ蔓延

日経新聞(2020/08/10)の特集に「お取り寄せできる土産菓子 読者1142人が選んだ10選」があり、その第1位が「萩の月(宮城県)」だったとか。その菓子が近くの店で売られていたそうで、家内が買ってきた。それで感じたことが3つある。
1つは、その味である。一見すると饅頭である。実際はというと、皮がカステラ生地で、中にカスタードクリームが入っている。シュークリームの和風菓子バージョンと言うべきか。不味くはないが、かといって和菓子好みの者にとっては「好き好んで食べるほどではない」。個人の感想でしかないが。
この点、日本人の嗜好が変化しつつあるのだろう。「関西風の薄味、ついでに影も薄くなり」と感じているのだが、それと同じかもしれない。また、トロ何々と銘打った、脂っこい食品が好まれるのも同じ流れかもしれない。後者に関して、一方でダイエットが流行るのは、アクセルとブレーキを同時に踏む(踏ませる)ようなものなのだが。
もう1つは、その食感だろう。歯ごたえがなさすぎる。何でも柔らかいものが好まれる傾向に沿っている。そんなことでは、いずれ日本に「歯なし家」があふれてしまいかねない。大した問題ではないのだが。
さらにもう1つある。その菓子の包装である。プラスチックの包みの中に、酸化防止剤と、プラスチックに包まれた菓子が入っている。酸化防止剤が菓子本体に直接触れないように、衛生的なようにと、二重にプラスチックで包んだのだろうか。もしかしたら酸化防止剤が菓子本体に触れるとカステラの皮が剥がれるのだろうか。
現在、プラスチックゴミの削減が叫ばれている。レジ袋の有料化がその一端である。その精神からすれば、1つの菓子を包むため二重にプラスチックを使うのは過剰すぎる。大げさに表現するのなら、時代の流れに逆行している。二重にしないと菓子が崩れるのなら。崩れないように工夫すればいい。
以上、菓子自身を非難するつもりは毛頭ない。消費者が何を求めているのか、どうすれば消費者に対して、というか社会に対して望ましい製品やサービスを提供できるのかを考えるのが、本来の経営だと思うだけである。

2021/03/14


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