川北英隆のブログ

コロナ感染の疑似体験を

コロナに感染するとのリスク意識に乏しいか、感染したとしても大したことないと思っている者が相当数いる。行政にも感染への危機感が足りないのではないか。そんなことを思っていると、コロナ感染の疑似体験が可能だと気づいた。是非とも実行してほしいものだ。
コロナに感染して肺炎にまで進行すると、血中酸素が不足するとされる。このためパルスオキシメーターが売れている。血中酸素飽和度を計り、酸素を十分体内に取り込めているかどうかの1つの目安にしようとする。
実はパルスオキシメーターは高山に登山する時の必需品である。つまり高山の気圧は低く、そのため酸素の濃度が低い。富士山で平地の2/3、標高5000メートルを越すと1/2とされる。このため血中酸素飽和度は簡単に(平地の標準が100%として)80%台に下がる。4000メートルを越すとまさに80台の恐怖に襲われる。酷いと70台になる。ここまで下がると本当に高山病の第一歩である。
軽い症状の場合は頭が重く痛くなる。僕の場合は眠りが浅くなり、寝ても息苦しくて目が覚める。5000メートルを越えると、登山靴の紐を結ぶのでさえ息が切れそうになる。山小屋が二段ベッドの場合、上が当たると「上り下りが嫌や」となる。高山病の場合、症状が酷いと死ぬ。悪化したら(酷い目眩、嘔吐など)早く高度の低い場所に下ろしてもらわないといけない。
とすれば、疑似的に軽い高山病の症状を体験できれば、コロナの苦しさも実感できるはずである。問題は、どうやって疑似体験するのかである。
1つは富士山のお鉢で長距離走をすることである。富士山でなくても、北アルプスの乗鞍岳では山頂手前まで車道が付いているから、その終点付近で長距離を走ればいい。僕の場合、富士山もそうだったが、乗鞍の山頂付近の山小屋ででも頭が少し痛くなった。ビールを飲み、持参したウイスキーを飲んだせいかもしれないが。
もう1つはスポーツ用の減圧装置や減圧室の利用である。安全性という意味では減圧室を利用するのがいいだろう。これを政府がコロナ関連予算で借り受け、「コロナ感染疑似体験」ツアーを無料で主催すればいい。ついでに厚労省の役人や政治家もゲストとして是非参加してもらいたい。
この案を友人と話していると、大いに賛成してもらった。彼を誘い一緒にキリマンジャロへのツアーに参加したとき、彼は5000メートル付近で頭が痛くなり、脳みそが早く下りようと必死で叫んでいたから、火口壁までたどり着いたのを合図に即座に下りたとか。
下山後、ホテルで大発見があった。彼の髪が目立って白くなっているのを僕が発見した。しかも帰国後、それまで抜群だった記憶力が落ちていたとか。しばらくは「キリマンジャロでアホになった」と恨まれたものだ。
記憶力はどこまで本当なのか、旅行疲れやその後の老化現象もあったのではないかと思っているが、髪が白くなっていたことだけは否定できない。
いずれにしても「コロナに感染し、軽くでも肺炎に進行し、白髪やアホになったらどないするのや」と思っている。ましてやアホの2乗になったりしたら、目も当てられない。少なくとも若いうちにアホになりたくはない。

2021/08/12


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