川北英隆のブログ

香港のGoTo政策

香港を本拠地とする知人がいる。仕事の関係なので、時々日本に帰り、その後で香港に戻るらしい。オンライン会議の後で雑談していると、今日は日本から香港に入って日が浅いらしく、2週間の隔離期間中だったとか。「道理で」と、感じたことがあった。
香港は海外からの渡航者の隔離が厳しいらしい。1人たりともコロナの感染者を出さないという中国本土というか本国の政策そのものである。このため、入国してから2週間の隔離と、2日に1回と言っていたように思うが、PCR検査が義務づけられているとか。しかも2週間の隔離期間中は、ドアの外に半身を乗り出すと警戒音が鳴り、牢屋的な部屋に強制収容されるらしい。
2週間の隔離はホテルとか。部屋から1歩たりとも出られないから、3食を注文しなければならない。選べるらしいが、3食ともフルコースで出てくると説明してくれた。
知人はお金を持っていることもあり、2週間も部屋に閉じ込められるのだから広目の部屋がいいということで、ホテルのスイートにしたらしい。食事込みで1日7万円の部屋だそうだ。つまり2週間で100万円コースである。もっと高級なのがあって、総額700万円コース(隔絶した世界なので真面目に金額を聞いていなかった)とかのもあるそうだ。もっと安い部屋(1日2万円とか)も当然あるらしいが。
香港としてはこの2週間の隔離を、ホテル業界の振興のためにも活用しているとのことだった。日本でのGoToキャンペーンに相当するらしい。でも、GoToを目的としながらコロナの感染予防の効果が得られることに賢さがある。さすが中国商人、頭がいいと感心してしまった。
日本も真似をすべきである。どんどん観光客を受け入れ、当初の2週間は東京や大阪のホテルで泊まってもらう。そうすれば、ホテルも大喜びだろう。政府としても予算が少なくてすむ。何故、そういう知恵が働かないのだろうか。
その知人を交えたオンライン会議、途中で知人の画面が小刻みに揺れる。どうしたのかと思っていたら、最後に説明があった。3食をフルコースで食べた上に、部屋から出られないとすると健康を害する。そこでランニングマシーン的な機械を部屋に入れているらしい(よく見えなかったが)。「そうやろな」というところである。

2021/11/04


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