川北英隆のブログ

黒柄岳を越える

明神ヶ岳から下り終え、田能集落の上部の車道に出た。向かいに西から伸びる車道が交差している。この車道は黒柄岳の山頂直下まで通じているので、それを歩く予定にしていた。田能の村中まで下りて黒柄岳に登り返してもいいのだが、車道のほうが近道だ。
黒柄岳への車道は山頂直下のアンテナ用である。最初は登りなのだが、そのうち傾斜がほとんどなくなる。稜線に沿いつつ西側に回り込み、送電塔のすぐ横を通る。そこから小塩山が遠くに見えた。
黒柄岳の北尾根に回り込む。送電塔への巡視路を右手に見つつ、黒柄岳の東西に長い稜線の東の端を巻くようにして、その稜線の南側に出る。田能からの山道が左の谷から上がってきていた。しっかりした踏み跡がありそうだった。
東西に長い稜線の南側に出てすぐの箇所に、稜線に上がるためのロープが取り付けられている。車道は稜線を削って付けられ、そこをコンクリートで固めてある。ロープがないと上がれない。車道をそのまま歩いても山頂に達するのだが、それでは物足りない。
ロープを使って稜線に上がり、広葉樹林の中を200mほど緩やかに歩くと黒柄岳の山頂だった。林の中に526.7mの三角点(点名、渋谷)がある。展望がない代わり、冷たい風も吹きつけない。昼食にした。
山頂からは西尾根を歩いて下る予定だった。頂上直下にあるアンテナ用の車道を時計と反対周りに歩き、西尾根の入口に出た。なだらかな尾根上に踏み跡が見えるものの、いきなり倒木をくぐって尾根に入らないといけない。その後も倒木が多かった。広葉樹が多いのだが、植林も混じる。
もっとも西尾根は、黒柄岳の北側にある送電線の巡視路として使われているのか、テープが多い。踏み跡は基本的に尾根上なので、テープは倒木を避けて歩くためだとも思えた。
尾根を下っている途中で時雨れた。雪混じりだった。すぐに止んでくれたのだが、倒木という最大の敵と戦っている最中の雪混じりの雨、マーフィーの法則かなとも思った。
尾根が少し登りになり、466mの独立標高点のピークに達する。ここから北に伸びる尾根を下ることにしていた。主稜をそのまま進んでもよかったのだが(結果としては、それが正解だったかも)、次の竜ヶ尾山へは少し遠回りになる。
そもそも466mのピークには巡視路用の標識があり、ピークのすぐ下の鉄塔に向かって非常にいい道が付けられているので、「この尾根を下るのが正解」と思いやすい。実際のところ、いい道は鉄塔までである。
その後も道は明瞭である。かつては麓の小泉という村から黒柄岳に上がるためによく使われていたようで、沢状になっている。ただし現在は廃道に近く、沢状の箇所に倒木が多い。そこで沢状の横の高い部分を歩くことになる。
下り終わると小さな沢に出て、左岸(西側)を歩くのだが、横には廃屋がいくつもある。そんな道が100mほど続く。気分を悪くしつつ、ようやく車道に出た。小泉の上部である。
田能の上部から小泉の上部まで1時間50分(昼食10分を含む)だった。
写真、上は黒柄岳の山頂、下は明神ヶ岳の下りから見た黒柄岳である(右肩にアンテナの立ったピーク)。
20211130黒柄岳山頂.jpg

20211130黒柄岳遠望.jpg

2021/11/30


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