川北英隆のブログ

政府統計の表記統一の前に

日経新聞のニュースを読んでいると(ネットにもアップされている)、政府が「統計の表記ルールを統一する」とあった。例として「男性」と「男」が示されていた。統一したほうが「まあ」いいだろうが、枝葉末節に思う。まずやるべきことがある。
それは統計の和暦表示を廃止し、西暦に統一することである。和暦表示を探し出すと、簡単に見つかる。たとえば「民間給与実態統計調査」(国税庁)を見つけた。昭和、平成、令和と続いている。重要な(国民経済計算=GDP統計のベースとなる)統計、法人企業統計(財務省)においても、和暦を使っている例がある。統計本体は西暦なのだが、プレス発表時には「令和2年度」とか「令和3年度10-12月期」と表記してアップしているし、プレス時に添付される統計の時系列表記も和暦である。
そんな統計を使い、社会事象と照らし合わせて分析しようとすれば、最初の作業として、和暦を西暦に直すことを強いられる。「何でそうなったのか」を理解するためには当然である。和暦で統計を公表している理由は、公表した本人が、その統計を使って本気で分析したことがないからだろう。もしくは頭が悪いだけかもしれないが、こちらの可能性は少ないと信じている。
和暦を使うのは日本国民として当然との主張があるかもしれない。しかし、統計での和暦表記こそガラパゴス、ジャパゴラスである。海外が日本を分析しようとした時、和暦なんて使われたら、「それっていつのこと」と思うに違いない。
日本人でもそうである。僕の場合、小学校から高校まで、日本史の授業は江戸から明治の初期で終わった。だから自慢ではないが、明治が何年までだったのかはほぼ知らない(明治は45年まで)。大正は、母親が15年生まれで、数日違いで昭和元年でなかったので何とかわかる。とはいえ、母親が亡くなった後、怪しくなってきている。昭和が64年までだったのは、その年の大喪の礼の日に三鷹から国分寺に引っ越したので記憶に残っている。平成はというと、これが一番怪しい。31年までだったとネットで確認しておいた。そもそも今が令和何年かなんて覚えていない。「令和やったなあ」くらいは言えるが。
さらに統計の場合、ある元号の終わりと次の元号の始まりが重なるから、それも考えないといけない。ということで、統計の年の表記を西暦に統一して欲しい。ついでに政府の書類も、銀行の書類も西暦にして欲しい。後者は、老人に優しい社会には必須である。「変なとこだけ優しくせんといてんか」「それってフリだけやろ」。

2022/03/21


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