川北英隆のブログ

オンキョーの破産

5/14のニュースによると、オーディオメーカーのオンキョー(正式名はオンキヨー)が自己破産を申請したとのこと。大きなニュースではないものの、かつて日本が誇った産業の衰退と、時代の流れを感じてしまう。
1980年前後、オーディオは日本の主要産業の1つだった。思い出すままに書くと、ソニー、パイオニア、ビクターなどが隆盛を極めたのも、オーディオが一大産業になったからである。
77年から79年までの2年間、通産省に出向していた。仕事として製造業の生産活動の統計を扱っていた。その生産活動を牽引していた1つが「ハイファイ・ステレオ」という製品だった。何十万円という製品がわんさかあった。日本生命に戻り、証券アナリストを務めた時、ナカミチというオーディオの最高峰のメーカー名を知った。確かセットで買うと100万円以上したはず。
その後、半世紀近くが経過した。アマゾンで「ステレオ」と検索しても1万円以下の物が大量に表示されるだけとなり、世の中が大きく変化している。展示場に行けば、ごく少数のマニア向け製品が見られるのだろうか。ビックカメラやヨドバシカメラに行く用事もなくなったため、実態は不明である。
オンキョーに戻ると、この会社もオーディオのメーカーだった。設立当初(1946年)の社名は大阪電気音響社だったそうだ。僕も1990年頃だったか、オンキョー製品を使ったことがある。高級ではなかったが。
時代が移った。いつの間にかパソコンで音楽を聴けるようになり、スマホになり、オーディオ専用機を買おうなんて一般人は思わなくなった。
今の僕はというと、実のところ、高くないパイオニアを使っている。2000年頃に買ったと思う。でも最初から調子が悪くて、オーディオ会社の技術のなさを痛感してしまった。今、冬になるとCDの読み取りが悪くなる。買い替えようかなと思うものの、こだわりもないので、そのまま放置してある。
オーディオの主要会社であったオンキョーの倒産に驚きはない。経営が瀕死だったのも知っている。一世を風靡したパイオニアでさえ、オーディオは片手間になっている。ここに日本が誇った産業の衰退を記しておくことにしたい。

2022/05/15


トップへ戻る