川北英隆のブログ

久しぶりに京都のおばんざい

知人から、「京都の実家に用事がある、その機会に一度会いませんか」とメールが来た。定期的に来ているとのことだった。コロナの炎が小さくなったこともあり、連絡してきたらしい。そこで、先斗町のおばんざいの店で会うことにした。
知人にその店を紹介していたらしい。予約を入れてもらい、現地集合にした。2年半ぶりに入ったのだが、女将さんが顔を覚えてくれていた。店にはパラパラと客が入っていた。コロナ前のように、予約を入れないと断られかねないほどではなく、また客の回転も速い。観光のついで少し立ち寄る程度の客なのだろうか。
おばんざいの品数と種類は大きく変わっていないように思い、安心していると、大きく変わったことがあった。
以前はお品書きだけだったし、それ以前はおばんざいの入った大鉢が並んでいて、それを注文するスタイルだったのに、今回はお品書きの下に値段が書いてある。「へえー」である。女将さんに「値段が書いてある、どうして」と聞いたところ、「お客さんが、これなんぼと聞かはるので、それに答えるのが大変になったさかい」ということだった。
常連ではなく、観光客が中心になったからだろうか。おおよその値段(勘定の合計)がわかっている者は適当に頼めるが、昔の寿司屋と同じで、一見で入って値段が書いてないと心配になるのも確かである。しかし逆に一品ごとの値段がわかってしまうと、高いおばんざいを頼みづらくなる。
知人が「コロナの時は大変だったのでは」と質問していた。「政府の指示にしたがって店を開け閉めしていた」との答えだった。入ったおばんざい屋は自前の家屋である。従業員も親戚が多いように思う。だから少々のことでは潰れないと、それだけは確信を持って言える。女将さんや大将の後を継ぐ者がいるのかどうかが問題だろう。
勘定の段になった。京都の店に多いが、知人と入ったおばんざい屋も現金払いである。カード類は使えない。久しぶりに大きなお札を使った。
帰りに偵察がてら歩くと、先斗町にあるもう一軒の時々通ったおばんざい屋は、どうも店をたたんだようだった。高瀬川の西側にある小料理屋も同じような雰囲気だった。コロナのおかげで行きつけの店が(というほど行っていないが)いくつか消えたようだ。機会があれば確かめないといけない。

2022/10/09


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