川北英隆のブログ

海外旅行者とインフラ不足

少し前に書いたと思うが、京都に海外からの旅行者が、正しくは中国本土を除いて殺到している。白いのはもちろん、黄色いの、浅黒いのが混じっている。そんな中、京都はインフラ不足である。「市長はん、何とかしたりーな」と思う。
この点について、ある雑誌に書いたのは、1つはレストラン問題である。京都市内で時々見かけるのは、アルコール類や食品らしきものが入ったレジ袋を持ち歩く外人である。僕も海外旅行で時々使う手は、近くのスーパーでアルコール類や食品を調達し、ホテルの部屋で食べる方法である。
知らない土地で連日、朝昼晩と外食するのは疲れる。朝はホテルの宿泊にセットされていることも多いが、それでも自宅のように気楽に食べるわけにはいかない。大勢で押しかければ気楽になれる(他人任せにできる)ものの、少人数の場合は座席に着くこと、会計など食べる以外でもしきたりが異なる。
日本にやってくる外人も同じだろう。それを考えると、気楽に食べられるレストランというか食堂を設けるように宿泊施設に要請するのが、美しい日本につながる。「せやろ、和服の市長はん」。
次にトイレの問題である。カミさんが言うには、公衆トイレに行列ができているらしい。それも長蛇だとか。思い起こしてみると、京都市には公衆トイレが少ないように思う。京都に住んで長いから、使ったことがないものの、いくつかの場所は記憶にある。京都は大きな店が少ないから、旅行者としては公衆トイレの位置を知っていないと大変だと思う。ましてやこれからの寒い冬には「近いのに、トイレが遠い、場所がわからない」ことは大変だろう。
最後に、一番深刻なのは交通機関である。
有名観光地近くを通るバスは大混乱している。大きなリュックやスーツケースを持った旅行者が多いから、乗降時に狭いバスの通路を押し分けるのが大変である。タクシーはというと、流しているタクシーが多いはずの京都市も、近頃は払底気味らしい。電話で頼んでも(外人には無理難題に近いが)、なかなか来てくれない。
電車はどうかというと、大きなスーツケースの外人には大変だと思う。地下鉄を例に出すと、エレベーターやエスカレーターだけで地上に出るのは、逆に地上から地下に行くには、まさに迷路である。不可能な駅も多いと思う。京都市に長年住んでいる僕が近くの駅を使う場合でさえ、かつて膝を痛めたので可能なら使いたいと思ったのだが、「どうしたらええんや」と考えてしまう。海外旅行者に「ほんま京都はええとこやった」(外国の関西弁で考えるのかなあ)と感じてもらうには、駅のエレベーターやエスカレーターの増強と、少なくとも案内板の整備が必要だろう。
先日、京都駅から地下鉄に乗ったところ、同じドアから大きなスーツケースとバギーをもった3人(老人夫婦と若嫁か)が入ってきた。スーツケースには黄色い帯がかかっていて、大きく「TAIWAN」と書いてあった。四条で下りようとすると、3人も動いた。
ドア付近でスマホを見続けている乗客を蹴散らし、3人のために道を開けたが、後で「エレベーターやエスカレーターの位置が分かるのかな」と気づいた。「3人に悪いことをしたな」と反省した次第である。

2022/12/24


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