川北英隆のブログ

リヤドから世界の果てへ

リヤドの西部に「世界の果て(Edge of the World)」がある。車で片道2時間位かかる。その小旅行がツアーに組み込まれていた。
「世界の果て」へは、途中から舗装道を外れ、車のタイアが踏み固めた「道」を行く。このため四駆でしか入れない。しかも最後には大きなギャップ(雨水の流れた跡)があり、それを越えるのは四駆でも難易度が高い。実際、我々のチームの車ではないが、1台の四駆はそのギャップでリタイアした。しかもバンパーが剥がれてしまった。
帰ってからグーグルアースで確認すると(事前に見とくんやないんかいな)、「世界の果て」とは、大きな丘陵の西の果てに相当している。リヤドはというと、その丘陵の一番東に位置している。
その大きな丘陵のイメージをもう少し描くと、東の端にあるリヤド付近の標高は、低い所で560m程度である。そこから西へと緩やかに標高を上げていき、「世界の果て」で970m程度に達し、そこから崖となって150m程一気に低下する。リヤドという世界から見ると、まさに「果て」を形成している。
そんな高度差100m以上の崖が100kmは続いているだろうか。なかなかの景観である。もっともこのような地形はアフリカの大地溝帯でよく見られる。アラビア半島も、紅海を含めてこの大地溝帯の延長線上にあるから、「どこかで見たな」と感じてしまう。
「世界の果て」はリヤド郊外の観光スポットである。車が何台も入っていた。崖の手前が駐車場(ちゅうしゃば)になっていて、そこから崖の上を歩ける。道はしっかりしているため、慎重に歩けば大丈夫である。
そこで夕日を眺め、暗くなった道を戻った。リヤドがサウジアラビアの発祥の地となりえたのは、「世界の果て」から東に伸びる丘陵部を雨水が流れたからである。そのため放牧ができ、オアシスが形成されてナツメヤシが茂った。そんな植物の影を見ながらリヤドに帰った。
上の写真は「世界の果て」の崖である。左側の突端部まで道が付いている。下はギャップを越えようとしている車である。溝に下った後、手前の急坂を上がる。写真の車がリタイアした。
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2023/02/22


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