川北英隆のブログ

ウンム・シムマンの岩絵

首都リヤドから北西へ700km離れた都市、ハイル(Hail)へ飛行機で移動した。ヨルダンとリヤドおよびオマーンを結ぶ隊商路に位置していた町である。人口は100万人程度だろうか。
ハイルでは、その北西100km位置するジュッバ(Jubbah)へと専用バスで向かった。ウンム・シムマン(Umm Senman)の岩絵を見学するためである。
途中、サウジアラビアの鉄道が走っていた。リン鉱石を運ぶものらしい。調べていないが、確かヨルダンにもあったと記憶しているので、両国を結んでいるのかもしれない(多分そのようだ)。
ジュッバは当然のことながらオアシスの町である。その西に山が広がり、岩絵があった。ユネスコの世界遺産である。ラクダの絵を中心に、くっきりとした絵が残されている。この地域を、岩絵の時代以降も旅人が訪れたため、比較的新しいアラビア文字が岩絵とともに描かれている。近代の落書き(数百年後の「岩文字」候補)もあった。
アフリカ北部を中心に何箇所か岩絵を見た経験からすると、ウンム・シムマンは近場かつ明瞭な点で優れた遺跡だと思える。
上の写真は多くのラクダが描かれた岩絵である。狩りの様子もうかがえる。下は岩絵の横にアラビア文字が描かれている。この岩は上部から転がり落ちてきたものらしく、その後に文字が刻まれたとのこと。
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20230224岩絵とアラビア文字.jpg

2023/02/23


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