川北英隆のブログ

環境破壊の証券欄かな

最近、新聞を当日に読むことが多くない。朝早くに出かけたり、旅行したり、仕事が忙しかったりすると、「後で読もう」となり、何日分も貯まる。そんな時に「ほっ」と感じる瞬間がある。いつなのか。
新聞をその日に読まないと問題が生じそうだ。とはいえ昨今、その日に知らないといけないニュースは、見出し程度ならネットで事が足りる。これが新聞を読む切迫感を弱くする。
2月のサウジアラビアの旅行中に新聞がたくさん溜まった。その新聞をようやく読み終わった。といっても多くのニュースはもはや古すぎる。読んだのは、解説記事が多い。「こんな意見があるのや」とか、「こんな裏があったのかな」とかをインプットする。
もっとも最近は読んだ尻から忘れるので、「時間の無駄」とも思う。とすれば、新聞を購読しなければいいのだが。
それと購読している日経新聞はネットでも配信している。その契約をすれば旅行中でも読める。しかし、ネット契約はしない。1つの理由は、旅行中にそんな世俗的な状況を挟み込みたくない。もう1つは、スマホなどの画面は一覧性に欠けるし、目に悪い。
ということで、2月の2週間分近い新聞をパラパラと、指先がインクで黒くなるくらいめくった。その時、株式欄になると「助かった」と一息つける。
というのも、日経新聞の読者にはわかるが、株価などの市況欄が何ページも続く。2/15を調べると6.5ページある。その日は(かなりの全面広告が混じっていて)44ページと厚いのだが、それでも市況欄は全体の1/7になる。かつて、市況欄はもっと少なかった。
その6ページの構成は、株価指数などの概況1ページ、株価と関連数値3.3ページ、投資信託価格1.7ページ、商品市況0.5ページである。この構成は毎日続く上に、確か週末や月末には週間や月間の数値が掲載される。
実は、先日の研究室の引っ越しで改めて知ったのは、東洋経済の会社四季報が期を追うごとに分厚くなっていることだ。会社四季報もデジタル版があるのだが、これこそ紙のほうが見やすいので、資料として毎期、紙バージョンを買っている。
日経新聞や会社四季報のページ数が多くなっているのは、上場企業数が増えているからである。加えて日経新聞の場合、投資信託があれやこれやと設定されていることも大きい。これが日本の証券市場、正確には株式市場の活況を反映しているのなら、それはめでたい。実際はゾンビ的要素がたくさん混じっている。
以前、投資信託の欄をツームストーン(墓石)に喩えたが、今も同じである。株価欄も同じで、墓石の下から企業ゾンビが続々と出てくる。
ゾンビを普通の投資家は相手にしない。ゾンビが見えないのかもしれない。では、ゾンビを相手にするのは誰か。ゾンビ狩りの専門家程度だろう。
思うに、そのような墓石を毎日、何ページにもわたり掲載するのは紙資源のムダであり、森林資源の破壊である。地球環境を真剣に考え、紙面を削減するのが正しい。
何がゾンビなのかを判定するのが難しければ、株価欄に関しては、時価総額の大きい500社程度にするのがいい。投資信託はよくわからないものの、上位100ファンド程度だろうか。ゾンビ狩りの専門家から文句は出ないはずだ。彼/彼女らはネットで調べよう。
日経新聞も東洋経済も、紙を削減すべきである。地球環境のためという大義名分もある。ゾンビ的に扱われた会社やファンド側として悔しいのなら、上位に食い込めばいいだけだ。

2023/04/20


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