川北英隆のブログ

世の中が欲する人材と革命

昨日と今日、学生や経営者層と複数回の議論をした。見えてきたのは「今、望まれる人材像」である。かつて僕らが社会人になろうとしていた頃、50年前とは大きく異なっている。今の大企業の経営者層が大学を卒業した30年程度前とも大差である。
何がどう違うのか。示唆が多すぎて文章にするのは大変である。議論の結果を僕として解釈した上で、それを箇条書きしておく。
1 コンピュータシステムに関する素養が不可欠である。経営者にそれが欠けていたのなら、その企業は衰退する。
2 文系の能力の必要性は急速に減退している。AIの急速な発展が、この減退を加速させた。
3 論理的思考力と同時に、柔軟な思考力が要請される。1つの物事を複数から分析できる能力である。
4 多面的な視点を養うのは、1つの企業に安住していたのでは難しい。つまり終身雇用は、個々人の能力を養うのに役立たない。
5 優秀な学生は起業が念頭にある。企業に就職したとしても、それは社会人としての基礎や資金を得るためにすぎない。
6 今は個人として自由に使える時間を大切にする時代である。その時間を与えないことには、多くの優秀な人材を集められない。
以上から、企業が優秀な人材を集めるのに必要なことは、数年間のみの雇用を前提とすることである。その優秀な人材の条件とは、文系的能力ではない。
また、これまで日本の文化は発展途上国的だった。究極のところ、先行する国を学び、真似ることに尽きた。この意味で役人王国だったし、大企業の多くのトップは役人の手下としての地位にあった。これを変えなければ日本の発展はない。
逆に言えば、若者に大きなチャンスが巡ってきている。過去の日本の文化を覆せる時代に突入した。一種の革命である。僕はこの意味での革命に大賛成する。

2023/05/09


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