川北英隆のブログ

新聞の値上げと対策

日経新聞を購読している。電子版は好みではなく、紙ベースである。それが7月から値上げである。朝刊と夕刊のセットが、今の4900円から5500円になる。率にして12.2%である。ちなみに電子版は4277円のままとのこと。
他紙も値上げされ、朝日と毎日は5月から4900円になったらしい。やはり10%以上の値上げである。読売は、来年3月まで値上げしないと宣言しているそうだ。
3月だったか、日経の記者が来た時、「もうじき値上げでは」とついでに質問したら、「鋭いですね」と認めていた。紙代やインク代が上がっていたから質問したのだが、「値上げしないように頑張ってます」ではなく、素直に「そうだ」と返ってきたのには意外感があった。人件費も上げざるをえないし、発行部数も減っているし、仕方ないのだろう。
とはいえ、もう少し努力して値上げ幅を小さくできないものか。その対象として株価欄が挙げられる。今時、株価を紙面で探そうなんて滅多にしないのではないか。
爺さんや婆さんにはいるかもしれないが、絶滅危惧種だし、絶滅したところで痛くも痒くもない。それに、あんなに小さな活字から特定の企業やら投資信託を探すには天眼鏡が必要だろう。天眼鏡って表現が古いのなら、なんちゃらルーペか。
株価欄が必要だとしても、個人投資家の多い上位100社とか200社でいい。投資信託も残高の多い100くらいでいい。そうすれば価格欄が1面だけで収まる。昨日の紙面で数えると、6面が1面に激減し、総計36面が31面になる。14%の削減である。
記者に飯の回数を減らせとは言えないので、人件費はどうしようもないとして、12%の値上げを1桁台に抑えることは可能だろう。
紙面をめくるだけで疲れ、指先が黒くなりそうな株価欄のため、日経新聞を購読しているわけでない。それも、しょうもない企業や投資信託の価格が掲載されている。それらの価格は一種の押し売りである。日経新聞はその押し売りの手助け媒体なのかとも、つい思う。
ついでに書くと、最近の夕刊は朝刊とダブることが多くなった。夕刊の性格上、仕方ないのだろうが、ますますその傾向が強くなっている。記者の仕事の効率化のためだろう。夕刊をばっさり中止してもらってもいい。削ると惜しい欄があれば(わが家も、その欄のために夕刊が購読しているようなものだが)、それを朝刊に移せばいいのではないか。新聞の配達の手間が一気に削減される。
問題は新聞を配達している店の経営だろうか。それがあって、新聞社も仕方なしに夕刊を残しているのかも。とはいえ地方では廃止の波が押し寄せている。いずれ東京や大阪でも廃止の運命のように思うが。
幼稚園未満の頃、夕刊を受け取ると独特のインクの香りがした。多分、夕刊の漫画を読んでもらっていたのだろう。そのインクの香りが大好きだったのを思い出す。過去とともに夕刊は消え去るのみ、その分だけ安くしたってんか。

2023/06/15


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