川北英隆のブログ

バルカン半島へ

久しぶりに海外の山に出掛けた。2019年4月のヨルダン以来だから4年少しぶりになる。目的は、バルカン半島の一部を構成するアルバニア、北マケドニア、ブルガリアの3国の最高峰を登ることにあった。
各国の最高峰をウィキペディアで調べると、アルバニアはコラブ山2764m、北マケドニアも同じコラブ山、ブルガリアはムサラ山2925mとある。つまり、コラブ山はアルバニアと北マケドニアの国境にあり、共通の最高峰となっている。
ところが北マケドニアの最高峰はコラブ山ではなく、30キロほど北東に位置するテトボ山2747mとの説がある(本当かどうかは確認できていない)。そのテトボ山を含め、3国の最高峰の登ろうというツアーがあったので、それに参加した。ついでに書けば、ムサラ山2925mはバルカン半島の最高峰でもある。
そもそもバルカン半島を構成する国は複雑過ぎる。僕が学校で習った時代はバルカン半島の西をユーゴスラビア(1992年に実質的に解体)が占め、東はブルガリア、南はギリシャと比較的単純だった。今はというと、西にあったユーゴスラビアが解体した。その結果、グーグルマップを切り抜いて示したように、いろんな国が複雑に国境を形成している。
しかもユーゴスラビアの解体によって吹き出した溶岩が未だ完全には冷え固まっていないようだ。ちなみに「北マケドニア」という国名も、ギリシャとの長い紛争というか論争の後に「北」を冠することで決着したものである。世界史の教科書に登場する古代マケドニアの一部がギリシャとブルガリアにも広がっている。
どう行ったのか。各国ともヨーロッパの一部だし、西側と近い関係にあるからいろんなルートがあるのだろうが、今回はトルコ(イスタンブール)経由で、まずアルバニアの首都ティラナへと空路で入り、車で北マケドニアからブルガリアへと移動した。最後にブルガリアの首都ソフィアから空路を使い、イスタンブール経由で帰国した。
アルバニアでは古い城の町クルヤを見学した。北マケドニアでは世界文化遺産の町、オフリドと首都スコピエを見学しつつ、コラブ山とテトボ山に登った。次ブルガリアに入り、世界文化遺産のリラの修道院を見た後、ムサラ山に登った。そのブルガリアではプロビディフの旧市街と首都ソフィアも見学した。
バルカン半島の複雑さの一端を垣間見つつ、楽しくも長い山歩きを体験できたツアー旅行だった。
20230828バルカン半島.jpg

2023/08/28


トップへ戻る