川北英隆のブログ

京都も富士山も見殺しで

今月末、東京から複数人の来客がある。大学の施設を案内した後、場所を移動して勉強会を開催する。いつまで続くのかわからない酷暑だから、移動にタクシーを使おうとして、いつも手伝ってもらっているNMさんに予約をお願いした。と、懸念していた事態に陥った。
京都の有名所のタクシー会社が異口同音に「時間予約は、遅れてもいいなら受けるが・・、雨など降ったら40分はざらに遅れる」とか。6/8にカミさんのタクシー予約事件(20分以上経っても来ない)を書いた。その日は雨でもなかったはずだ。同じ事態が起きると脅されたわけだ。
京都のタクシー、コロナの時に運転手が大量離職した。そのままの状態で喪が明け、修学旅行生が大量に押し寄せて、タクシーで観光地巡りをしている。そのしわ寄せを市民が受けている。
京都市は何をしているのか。ほぼ何もしてこなかった。最近、あまり実の伴わない口先対策を打ち出したようだが。今の市長はん、今期限りだとかで、そもそもなかったやる気が、とうとうゼロに落ちたのだろう。
一番の対策は観光客を絞り込むことである。それには、以前から言っているように、観光客から「京都を良くする協力金」をいただくことに尽きる。京都のお粗末な交通インフラを整備するため、宿泊客から1泊1000円程度いただく。安いものだ。飲食店からも同様にいただく(市民も徴収されるだろうか)。そして大いに潤っている寺社からも。
以上は一種の入域料である。市民税を払っている者からすると、外部から押し寄せる者に市税で整えた交通インフラを乱雑に使われているのだから、その対価を要求するのは当然だろう。
富士山も同じである。こちらはもっと簡単に入域料を徴収できる。海外では、特別な地域に入る時、入域料が徴収されるのは常識である。入域者数を制限する例もある。
その料金は特別な地域の保全に使われる。自然を破壊しないように、建物を破壊しないように、監視員も雇われている。富士山であれば、遭難した場合の救助費用にも充てられる。京都であれば、コンビニで屯し、ゴミを捨てる外人の指導員を雇える。
施設や自然はもちろん、水や空気もタダではない。二酸化炭素の排出が問題視される現在、外人が富士山にずかずか入っていいのか。外部者に京都の交通インフラをタダで使わせていいのか。「そんなんアカン」に決まっている。
二酸化炭素排出の制限や環境保護を声高に叫びながら、その延長線上に富士山や京都のオーバーツーリズムがあるとの発想ができない国や地域の行政は、暗記問題は得意なのに(何とか解答できる程度かな)、応用問題のできない学生でしかない。

2023/09/13


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